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ほぼ100年前、感染症を乗り越えた五輪があった

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を克服しての開催を目指す東京五輪・パラリンピック。実はほぼ100年前、大きな戦争と感染症のパンデミックの直後に開催された五輪があった。1920年夏、日本を含めて29カ国から約2600人が参加したアントワープ大会である。

前回16年のベルリン大会は第1次世界大戦のため近代五輪で初めての中止。戦争中に発生したスペイン風邪は各地で猛威を振るい、世界で少なくとも4000万人以上が亡くなったとされる。

ベルギーは大戦でドイツに侵攻され、港町のアントワープの町並みには戦禍の跡があちこちに残っていたという。開催が決定してからわずか1年の準備期間しかなく、財政も乏しく、競技会場の整備も十分ではなかったが、それでも大会は開催された。

8年ぶりの五輪で、国際オリンピック委員会(IOC)は人類の団結と世界の平和をテーマに掲げた。開会式で初めてクーベルタン男爵がデザインした五大陸の団結を示す五輪旗が入場、掲揚され、平和の象徴としてハトが放たれた。選手宣誓もこの大会から行われるようになった。

東京都の小池百合子知事はしばしば同大会に言及し、コロナを克服しての東京大会開催をアピールしている。国立競技場に近い五輪博物館「日本オリンピックミュージアム」では入館予約制で2月末までアントワープ大会の企画展を開催中。大会の規模や世界のあり方も当時とは違い、アントワープにならって東京も、とは簡単には言えないが、五輪を開催する意味や目的を考えるきっかけにはなりそうだ。

(編集委員 北川和徳) 

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