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コロナ下の東京五輪・パラ、レガシーの行方は

国際オリンピック委員会(IOC)が五輪の「レガシー」(遺産)という言葉を使い始めたのは意外と最近のこと。五輪憲章には2003年7月の改訂から、IOCの役割として「大会の将来性のある遺産を残すことを、開催国や開催都市に対して奨励する手段を講じる」と盛り込まれた。

1984年ロサンゼルス大会で五輪が商業化にかじを切ったのは、開催都市の経費負担を軽減するためだった。しかし、放映権料やスポンサー収入を増やすため、大会は派手で豪華になり続けた。開催経費は膨れ上がり、いくら稼いでも足りない。そこで「お金はかかるがこんなに良いことがあります」と、開催を考える都市にアピールする手段がレガシーというわけだ。

IOCによると、レガシーとは一時的な経済効果などではなく、「長期にわたる、ポジティブな影響」。会場施設、都市インフラの整備など有形なものだけでなく、大会後のインバウンド増やダイバーシティー、サスティナビリティーへの意識の変化など無形のものも見逃せない。パラリンピックがともに開催される意味も大きい。

しかし、負のレガシーが残されることも少なくない。五輪のために建設した施設が後利用されず無駄になるケースは後を絶たない。開催関連で使う莫大な資金を有効な投資とするためには、招致の段階から都市や国の未来のあり方を見据えた入念な計画や準備が不可欠なのだろう。

東京五輪・パラリンピックは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、当初の想定とはまったく違う形で開催されることになった。未来の東京や日本にはどんなレガシーが残るのだろう。

(編集委員 北川和徳)

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