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夢は五輪 フリースタイルフットボール Wasse(下)

サッカー、フリースタイルフットボールの世界を生きてきたWasse(本名早稲昭範)はいま、新たなフィールドに挑戦している。「テックボール」と呼ばれる新興スポーツだ。

「テックボールと出合い、もう1度競技者としてトップを目指せるチャンスがうれしい」と語る。

緩やかにカーブした卓球サイズの台でネットを挟んで得点を奪い合う。手以外はどこを使ってもOKだが、3タッチ以内に相手コートに返さなければいけない。サーブは2回失敗したらダブルフォールト。サッカーと卓球とバレーボール、そしてテニスを組み合わせたような競技である。

テックボールW杯に出場 日本協会会長にも就任

出合いは3年前。欧州発祥というスポーツを日本に持ち込んだ関係者から「やってみないか」と誘われた。聞けば、3カ月後に第1回ワールドカップ(W杯)を控えていて、日本代表として出場してほしいという。牧歌的な環境に驚いたが、新しいチャンレジに興味をそそられた。

「競技の立ち上げから関われるなんて経験はめったにない。それと、競技者としてもう一度上を目指せるチャンスがうれしかった」

フリースタイルフットボールというジャンルが生まれて15年余り。大会や試合形式の体系化が進むとともに、技は比べものにならないくらい高度化し、アクロバティックになった。世界大会ではWasseの後輩世代が頂点にも立った。現在35歳、左膝に古傷をかかえる身に世界の舞台は遠い。そんなときテックボールを知り、久々に競技者の血が騒いだ。

「3カ月間、みっちり練習して臨んだ」第1回大会はシングルスでベスト16入り。翌年の第2回大会は8強に勝ち進み、昨年まで3大会連続で出場している。

テックボール第1回W杯で日本代表としてプレーするWasse。2019年まで3年連続で出場している

今月9日には現役選手ながら日本テックボール協会の会長に選出され、国内の普及活動でも最前線に立つ。一度でも経験したことがある人は1000人、本格的な競技者はまだ50人程度しかいない。まずはテックボールの存在を知ってもらうべく、Jリーグの試合イベントで体験会を催したり、フットサル場に台を置いて回ったりしている。フリースタイルフットボールで築いた知名度は格好の名刺代わりだ。

日本オリンピック委員会への加盟も準備

「身体接触はないし、テクニックだけで勝負できるスポーツ。老若男女、誰もが対等に楽しめるスポーツ」。こうテックボールの魅力を訴えるWasseが、この競技に懸けてみようと思った理由が実はもう一つある。

2年前、ジャカルタでアジア・オリンピック評議会会長のシェイク・アハマドらの前でデモンストレーションの機会に恵まれた。その後、とんとん拍子に国際競技連盟連合の加盟も認められ、日本オリンピック委員会(JOC)の加盟準備も進めているという。「テックボールで五輪に出るのが今の夢」。その純粋な目は、リフティングに明け暮れたサッカー小僧時代と変わらないのかもしれない。=敬称略

(山口大介) 

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