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ギネス記録樹立 フリースタイルフットボールWasse(上)

ジャンプしながら軽やかにボールをまたいだと思えば、寝転がりながら足裏でリフティング。華麗な足技でみせるフリースタイルフットボールの世界で、Wasse(本名早稲昭範、35)は草分け的な存在だ。

子供時代からリフティングやドリブルが大好きで練習に明け暮れた

キャリア15年以上。2011年、17年に2つのリフティング記録でギネスに認定され、Jリーグや天皇杯決勝のオープニング、サッカークリニックでも美技を披露してきた。Wasseのパフォーマンスに子供たちは目を輝かす。Wasse自身もそうだった。

カズに憧れてリフティング2260回

「小学生でサッカーを始めて、憧れたのがカズさん。(フェイントでボールをまたぐ)シザースドリブルが好きでずっと練習していた」。ドリブルとともに励んだのがリフティング練習。「自分で決めたノルマをクリアするまで泣きながら何時間でもやった」。小学3年で565回、5年で2260回という最高記録は地元・兵庫でも飛び抜けていたという。

もちろん、目指したのはプロ選手。高校サッカーの名門、大阪・関大北陽高に進むが、ここで試練を味わう。入部直後の腰の骨折に始まり、ひどい貧血や度重なるケガに3年間悩まされた。それでもサッカーを諦めきれず、1度はAチームにも上がったテクニックは自信があった。進学した京産大ではサッカー部には入らず、スポーツ用品企業のプロモーションやストリート文化として産声を上げ始めたばかりのフリースタイルフットボールの道へ。教則本のモデルの他、競泳の北島康介やプロ野球の松坂大輔とスポーツ飲料のイメージキャラクターに起用されたりもした。

すぐに生計を立てられるようになったわけではない。パフォーマンスを続ける傍ら、大学卒業後は3年間のサラリーマンを経験。営業や企画書作成のイロハを学んだことが後に生きたという。

アディダスと全国行脚 子供向けクリニックで人気に

11年のギネス記録で少しずつ名前が知られるようになり、一念発起して独立。自らイベントやプロモーションを企画して売り込んだ。その中にアディダスがあった。同社の製品を使う全国の少年団やクラブチームを回ってクリニックを行うもので、これが当たった。

寝転びながらリフティングするWasse。2017年にギネス世界記録をつくった

「担当者からも『プロ選手や元有名選手を連れていくより子どもの反応が全然いい』と喜ばれて。自分にしかできないことがついに見つかったという気持ちだった」。アディダスとの全国行脚は3年続き、Wasseもフリースタイルフットボーラーとしての立場を確立した。

スケートボードやブレークダンスが五輪競技となり、遊びやカルチャーとの境界が曖昧な新スポーツが若者から支持される時代。Wasseにも先駆者として一翼を担う自負がある。「楽しいから頑張れるし、楽しいからうまくなる。自分もそうでしたから」。驚きのトリックをしのばせ、今日もスポーツの魅力を伝える。=敬称略

(山口大介)

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