/

学生同士の厳しさ光明 東大野球部・井手監督(下)

東京六大学野球で、日本ハムに進んだ宮台康平投手が在籍した2017年以来の勝利を目指す東大の井手峻監督(76)。東大生のある特徴に光明を見いだしている。

--厳しい受験をくぐり抜けた東大生の長所は野球に生きる?

「私は一浪して入学したが、野球部の同期に現役組もいた。聞くと試験のときは寝なくても平気なんだと。自分は2、3時間は寝ないとだめだったので、まだまだ甘かったなあ、と。何かをやるとなったら、集中力をもってストイックにやるのが東大生。今の選手たちも自腹でジムに通って、鍛えている。それだけではどうにもならない面が野球にはあるけれど、可能性は持っている」

「何かやるとなれば、ストイックに集中力高くやれるのが東大生」。野球部にも可能性を感じている=東大野球部提供

「選手として神宮でプレーするのは難しいかもしれない、となったときにコーチの道を選ぶ学生がいる。『学生コーチ』である彼らが厳しくて、絶好機の代打で凡退した選手に『あんな結果しか出ないなら、おれと一緒に学生コーチをやってもらった方がいい』って。僕なんか、あんなこと言われたら逃げちゃうな」

「シートノックに命をかける学生コーチとか、『自分は体が小さくて選手は無理かもしれないが、野球が好きで研究している』といって最初からコーチを目指して入ってくる1年生もいる。僕らのときは神宮に出られないなら辞めよう、だったけれど、今の学生は辞めずに裏方を務める。なかなかできないことだよ」

--指導者として、中日の現役時代に影響を受けた監督は。

「与那嶺要さん。監督になられたとき、僕は引退しようと思っていたが、肩と足を見込んでくれたのか『外野で使うから、現役を続けろ』と。本当に試合終盤の守備固めで使ってくれた。当時、内野の守備固めはあったが、外野の守備固めは珍しかった。あれから5年も現役を続けられたのは与那嶺さんのおかげ」

「ある試合で乱闘になりかけ、相手のコーチが、ウチの選手に突進してきた。ところがそのコーチがあっという間に吹っ飛んだ。見ると与那嶺監督。ハワイ生まれでアメリカンフットボールの選手でもあったから、タックルも強烈で。監督の参戦に批判もあったが、与那嶺さんは『選手を傷つけるわけにはいかん。ボクは選手を守るためならやるよ』と。星野監督(仙一氏)ら、与那嶺さんの下でやっていた選手はみんな影響を受けている」

--中日のフロントでは高木守道監督、権藤博コーチらの「OBオールスター内閣」を編成するなど宿願をかなえてきた。残る夢は母校の強化。

「(東大の指導を)いずれは、と思いつつ、年を取り過ぎたと思っていた。でも同期の仲間が(監督への)背中を押してくれて踏ん切りがついた。一応野球のことは勉強してきたつもりだし、その全てを還元したい。勝負事では、とても乗り越えられないと思った壁が、突然崩れることがある。今のまま、学生たちが取り組んでくれれば、そういう時がくる」

(聞き手は篠山正幸)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン