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ラグビーTL、世界の名手「競演」 年俸事情は

1年ぶりにトップレベルのラグビーが日本に帰ってきた。社会人のトップリーグ(TL)が2月に開幕。新型コロナウイルス禍で打ち切りとなった昨シーズン以来の熱戦が繰り広げられている。世界からはせ参じたスターも看板通りの実力で「競演」している。

三菱重工相模原戦で突進するサントリーのバレット(左)=共同

その選手がグラウンドに足を踏み入れると大きな拍手が鳴り響いた。サントリーのニュージーランド(NZ)代表、SOボーデン・バレット。開幕週の三菱重工相模原戦で初先発を果たすと、僅かなスペースを目がけて何度もランで勝負。自慢のスピードで防御ラインの裏に顔を出し、味方につなぐ形でチャンスを量産した。日本での初陣は、世界最優秀選手2度の名に恥じぬ活躍で「やっとファンの前でプレーできて感慨深い」と喜んだ。

脇を固める顔ぶれも豪華だった。バレットのパスを受ける両CTBには、オーストラリア代表のサム・ケレビと日本代表の中村亮土が並ぶ。バレットに配球するのも代表組のSH流大。相手の三菱重工でバレットと同じ「10番」を背負ったのも、2011年ワールドカップ(W杯)の優勝メンバーである元NZ代表のSOコリン・スレイドだった。

NEC戦で攻め込むNTTドコモのペレナラ(中央)=共同

同じ日、別の会場でも〝大型新人〟がデビューした。NTTドコモに加入したNZ代表SHのTJ・ペレナラ。敵味方の陣形をよく見た頭脳的な試合運びで攻撃をけん引。両手を挙げて反則をアピールするタイミングも的確で、そのしぐさに導かれたかのように主審の笛が何度も鳴った。反則から速攻を仕掛けるタイミングや走るスピードも世界レベル。ペレナラに導かれたドコモは格上のキヤノンを破ることに成功した。

NZや南アフリカなど強豪国の代表として19年W杯に参加した選手20人が、今季のTLに参戦している。「海外の強豪国の代表選手」の数だけで見れば、TLはフランスやイングランドのリーグすら上回って世界最多。両国やNZなどは自国の選手層が厚いため、リーグ全体のレベルはどちらが上かとなると話は別だが、海外のスターを間近で見られるという点で、TLは他にない場所となっている。

今の日本はとうが立った大物が〝年金稼ぎ〟に来るような場所ではない。29歳のバレットはフランスのクラブからも声がかかっていたが「23年のW杯でのプレーから逆算して日本を選んだ」。同じく29歳のペレナラも現役のNZ代表。まだ来日3カ月だが日本語の習得にも熱心だ。キヤノン戦ではスクラムでプレーが止まっている間、相手のSH田中史朗に「家族は元気ですか?」「どこの出身ですか?」と話しかけていた。

他にも元スコットランド代表主将のSHグレイグ・レイドローはNTTコミュニケーションズで期待通りの活躍を見せている。南ア代表として19年W杯を制したNTTドコモのWTBマカゾレ・マピンピは6日のリコー戦で初先発。ようやくファンにお披露目となる。

海外の名手の相次ぐ参戦でリーグのレベルは上がっている。19年W杯で日本の主将を務めたリーチ・マイケル(東芝)は「各チームのディフェンスがどんどん良くなってきて、トライを取るのも難しくなってきた。外国人選手のインパクトも非常にでかい」と話す。

キヤノン戦の後半、抜け出してトライを決めた神戸製鋼のナエアタ=共同

TLと同様、日本代表もコロナ禍で昨年は活動休止に追い込まれた。再始動を目指す代表に割って入ろうとする若手、中堅も負けていない。神戸製鋼のナンバー8ナエアタ・ルイは2試合で7トライの荒稼ぎ。得点ランキングのトップに立つ。昨年、早大を11年ぶりの大学日本一に導いたサントリーのSH斎藤直人は2月28日のホンダ戦で初先発、2トライの活躍を見せた。海外の猛者にもまれて桜のジャージーをつかむのは誰かという点でも今季のTLは見逃せない。

(谷口誠)

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