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首位レッドソックスを支える 沢村の高速スプリット

スポーツライター 杉浦大介

29日レンジャーズ戦の六回途中から登板し、1回1/3を2失点だったレッドソックス・沢村=共同

レッドソックスの沢村拓一がまずは順調にメジャーキャリアをスタートさせた。今季最初の9度の登板中7度は無失点と好投を続け、23日のマリナーズ戦では1回1/3を無失点に抑えてメジャー初勝利。ア・リーグ東地区で首位を走るレッドソックスの中継ぎの一角として立場を確立させ始めた。

速球とほほ球速差がない落ちるボール

序盤戦の成功の要因となったのは、決め球であるスプリットが大きな効果を発揮したことだ。沢村は4シーム(全体の49.3%)、スプリット(同30.6%)、スライダー(同20.1%)の3つの球種を操る本格派投手。29日までの10度の登板では4シーム、スライダーの被打率がどちらも.250だったのに対し、スプリットは同.158、許した長打はゼロという結果が出ている。

沢村のスプリットは150キロを超えることもあり、156キロ前後の4シームと球速がそれほど変わらないのが特徴。おかげで見極めが難しく、29日までの12奪三振のうちの8つをこの決め球で奪ってきた。高速スプリットはメジャーでも頻繁に目にする球ではなく、オープン戦の頃、テレビのコメンテーターは「なんだあの球は?」と驚いていたものだった。

マリナーズ戦の四回途中から登板し、1回1/3を無失点でメジャー初勝利を挙げたレッドソックス・沢村=共同

「まだまだ足りない部分はあるけれども、良くはなってきている。状態はそれなりに上がってきている。自信を持って投げられている」

沢村もマリナーズ戦後にはそう述べ、自身の高速スプリットには手応えを感じている様子だった。ライバルチームも徐々に適応を進めるはずだが、近年のMLBでは日本人投手以外でスプリットを主武器にする投手はそれほど多くはないこともあって、しばらくは攻略が難しい球であり続けるのだろう。

重要な場面での登板が増えてきている

オープン戦時には制球難に苦しむシーンも見受けられたが、開幕後はその点も致命傷にはなってない。「配球においても考える余裕が出てきている」という言葉通り、日本とは違うボールやマウンドへのアジャストメントまで含め、徐々に適応できてきている。多くの打者が常に積極的にスイングするメジャーに、細かい制球力よりも球威で勝負する沢村はフィットするのかもしれない。

もちろんすべて順風満帆なわけではない。29日のレンジャーズ戦では1-1の同点で迎えた六回に登場し、2被本塁打で敗因の一つになってしまった。1日の同カードでも1点を追う八回裏に登板し、2安打で1失点。ただ、開幕直後は点差がついた場面での登板が多かった沢村が、このような場面で出てくるようになったこと自体が信頼度が高まっている証明。今後も接戦の中でボストンのマウンドに立つケースも増えるはずである。

今季好調なレッドソックス。好返球で一走を刺した左翼手のバードゥーゴ(右)と迎える沢村=ゲッティ共同

2018年にワールドシリーズを制したあと、過去2年はプレーオフ逸し、昨季は24勝36敗とどん底の低迷を味わったレッドソックス。今季も開幕前の前評判は良好とはいえなかったが、1日現在17勝11敗の好スタートを切っている。上り調子のチーム内で、沢村は中継ぎとしての仕事を果たし続けられるのか。切り札のスプリットが健在なら、もうしばらく好調が続く可能性は高そうだ。

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