藤浪晋太郎、デビュー戦8失点 大谷らにメジャーの洗礼

同学年の藤浪晋太郎と大谷翔平が18.44㍍を挟んで対峙した。直接対決はプロ1年目だった2013年の交流戦以来。10年の時を経て、メジャーという最高峰に舞台を移して実現した再会は特別な空気をまとった。
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地元ファンの声援を受けてデビューした藤浪は「いい緊張感で試合に入れた」という。記念すべき初球は97.7マイル(約157キロ)の速球。簡単に追い込むと最後はフォークで先頭打者を空振り三振に仕留めた。続くトラウトのバットも空を切って2者連続三振と完璧な立ち上がり。大谷との最初の勝負もスプリットで一ゴロに仕留めた。「大谷だけではなく、世界最高峰の選手と対戦できたことはよかった」。二回も2三振を奪って三者凡退。150㌔台後半の直球、落として空振りさせるコンビネーションがさえた。

だが長くは続かず三回に暗転する。先頭打者に与えた1つの四球をきっかけに打ち込まれ、3連打を浴びて2失点。トラウトの四球を挟んで無死満塁となり、再び大谷と相まみえた。
一足先に海を渡り、二刀流で唯一無二の地位を築いた打者・大谷は、シュート回転で外角へ流れた2球目の99マイル(約159キロ)を見逃してはくれなかった。芯をとらえた反対方向への打球は左翼ポール際へ上がり、あと数十センチで本塁打かというフェンス直撃の適時打。
藤浪はその後も立て直せず、三回途中8失点。乱調の原因は配球の切り替えにあり、スライダーをはじき返された。「ちょっと考えすぎて変化球中心になってしまった。落ち着いて真っすぐで押せればよかった」。悔しい初登板に唇をかむ。

一方、猛攻の流れに乗った大谷は「(藤浪の)立ち上がりが素晴らしかった。いいオフェンスのタイミングでビッグイニングをつくれてよかった」。自身はこの日2安打2打点とバットが振れていた。
ともに同じ地区のライバルだけに、今後も対戦の機会はありそう。「最初の2回は速球とスプリットで打者を支配していた」とアスレチックスのコッツェー監督。藤浪も悲観ばかりはしていない。「しっかり反省して、次に生かせるようにしたい。いろいろ考えて勉強していければ」。まだ始まったばかり。一足先に米国で地位を築いている大谷らに洗礼を浴びたことも、今は全てがメジャーで生き抜く糧となる。
(オークランド=渡辺岳史)