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世界トップ20に40代は1人? ゴルファーは20代が主流に

ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

新型コロナウイルスに翻弄された2020年もまもなく幕を閉じようとしている。米PGAツアーは3月半ばから約3カ月中断したが、今年も残すところあと1大会。最終的には37大会を消化する予定だ。

予定されていたのが48試合なので約77%ということになる。大幅なシーズン短縮を迫られた大リーグや、変則日程によって先シーズンの終了が遅れ、今季の開始にも影響が出ている米プロバスケットボールNBA、米プロホッケーリーグNHLなどに比べれば、混乱を最小限に抑えられた、というところか。

世界ランク1位の36歳のダスティン・ジョンソン(左)は20年マスターズで優勝。前年覇者のウッズにジャケットを着せてもらう=ロイター

よって後々、コロナ禍をどう乗り切ったかが、語り継がれることになるのだろうが、同時に今年の米ツアーを別の視点から俯瞰(ふかん)すると、あるターニングポイントが顕著に表れた1年ともいえる。

40代の優勝はビッグニュースに

少し時間を巻き戻すが、04年、ビジェイ・シン(フィジー)が年間9勝を挙げた。同年9月には世界ランキング1位にも立ち、タイガー・ウッズ(米国)の連続1位を264週で止めている。

驚くべきことに当時、ウッズは28歳。シンは41歳だった。これは今の時代では考えにくいこと。目下(11月29日現在)、世界ランキングトップには、先日のマスターズ・トーナメントも制した36歳のダスティン・ジョンソン(米国)が立っているが、今や上位25人のうち14人が20代と若手の台頭が顕著だ。

世界ランキング上位20人のうち、40代の選手は今年7月に40歳となったアダム・スコット(オーストラリア)ただ一人。25位まで対象を広げても、43歳のポール・ケーシー(英国)が加わるだけである。

米ツアーを席巻する20代の勢いに40代の選手らはじりじりと後退。40歳のジャスティン・ローズ(英国)は、年初を8位でスタートしたものの、現在は31位。42歳のマット・クーチャー(米国)は、同24位から34位へ。44歳のウッズも同6位から36位まで順位を落とした。

40歳のアダム・スコットは世界ランク15位。世界トップ20位に入る最年長ゴルファーだ=ロイター

そのほか、40歳のセルヒオ・ガルシア(スペイン)は43位、42歳のバッバ・ワトソンは44位、今年6月に50歳になったフィル・ミケルソン(ともに米国)は64位に低迷する。

シンは40歳を超えてから22勝を挙げたが、それももう遠い昔の話。19年にウッズが2勝し、クーチャーも18-19シーズンに2勝をマーク。ガルシアも今年10月に米ツアーで3年ぶりの勝利を挙げたが、むしろ、そのことがニュースとなった。

こうした流れについてスコットは、「今の時代、40代で20代の選手と対等に張り合うのは、なかなか難しくなってきている」と正直に語る。

今の20代は層も厚く、さらにコリン・モリカワ、マシュー・ウォルフ(ともに米国)、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)ら、少し前まで大学でプレーしていた選手が、次から次へと頭角を現している。

20年前、20代はレア 働き盛りは30~40代

ウッズがマスターズ・トーナメントを制し、世界ランキング1位に初めて立ったのは、97年6月15日のこと。その日のランキングを調べてみると、上位25人のうち、実に20人が30〜40代の選手だった。

30代はシンの他、コリン・モンゴメリー(英国)、デービス・ラブ3世、ブラッド・ファクソン、フレッド・カプルス、トム・リーマン、スティーブ・ジョーンズ、スティーブ・ストリッカー(すべて米国)、スティーブ・エルキントン(オーストラリア)、フランク・ノビロ(ニュージーランド)、ジャスパー・パーネンビック(スウェーデン)の11人。

40代はスコット・ホーク、マーク・オメーラ、トム・ワトソン(ともに米国)、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)、ニック・プライス(ジンバブエ)、マーク・マクナルティ(アイルランド)の6人。さらに、ニック・ファルド、イアン・ウーズナム(ともに英国)、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)の3人が、40歳になろうとしていた。また、日本の尾崎将司が50歳で8位にランクインしている。

つまり当時は、30〜40代の選手こそがトーナメントの主役であり、常に上位で優勝争いをしていた。必然、ゴルフは経験を重ねないと勝てない、などと言われたもの。よってまだ21歳だったウッズが世界のトップに立ったことは衝撃であり、彼は別格扱いされたわけだが、今の時代ではもはや、それが当たり前となった。

90年代、若手台頭のうねりをつくったウッズももうすぐ45歳=ロイター

先ほども少し触れたが、ウッズは昨年、マスターズ・トーナメントと日本で行われたZOZOチャンピオンシップで勝った。20年前なら40代の選手が年間2勝を挙げても、メジャー大会を制しても驚きはなかった。ウッズは20代で異次元の選手とみなされたわけだが、40代で再び、突然変異したかのような捉えられ方をしている。

振り返れば、ウッズ自身がそうした流れをつくったわけだが、そうした劇的な世代交代は、今のゴルフ界を象徴するうねりともいえそうだ。

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