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感染対策による経済損失推計 東大経済学者、選択肢を提示

(更新)

新型コロナウイルスの感染症対策と経済損失の関係について、東京大の仲田泰祐・准教授(経済学)らが推計をまとめた。東京都をモデルに緊急事態宣言の解除基準が経済や死亡数に与える影響を試算、宣言解除の選択肢として示した。

試算したのは仲田准教授のほか、同大学の藤井大輔特任講師。今回は1月24日時点のデータに基づき、3月から国内でワクチン接種が本格化して効果があった場合を想定した。

政府は当初、都の新規感染者数がステージ3相当の「1日500人」で緊急事態宣言の解除を検討していた。

試算によると、都の宣言解除の基準を1日平均の新規感染者が「100人」まで厳しくすれば、今年末までの都の累積死亡数は約1100人に抑えられる。だが「400人」で解除する場合と比べると、今後1年間の経済損失は約4100億円増える。

全体の傾向として、解除基準を緩和するほど経済損失は少なくなるが、感染者増の反動が大きい。

「500人」を目安に2月第2週ごろ解除した場合、ワクチンの影響は少なく感染者は急増。4月後半には1日2千人を超える見通しで、再宣言が必要なレベルになる。

「250人」を目安にして3月上旬に解除すると、感染者の増加はワクチンの効果で抑制される。6月第2週にピークを迎え、再び宣言をせずとも減少に転じるという。

増加に転じた際、「500人」で再宣言すれば経済損失は約3100億円増える。仲田准教授は「再宣言をするケースは国民の命と経済をより危うくする。避けるべきだ」と指摘している。

仲田准教授は「感染症対策と経済活動の両立について、経済学の専門家から迅速で具体的な試算がほとんどなかった。今後はこのような試算も政策判断の参考にしてほしい」と話している。今後の状況に応じて推計は毎週更新する。

感染症専門家の西浦博・京都大教授(理論疫学)は1月中旬にワクチンの効果や経済への影響を考慮しない形での試算をまとめ、解除基準を「1日100人」以下にする必要性があると指摘している。

(社会保障エディター 前村聡)

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