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生活保護訴訟で原告敗訴 札幌地裁判決

(更新)

2015年までの3年間に生活保護の基準額を引き下げたのは憲法が保障する生存権の侵害だとして、北海道の受給者ら131人が引き下げ処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、札幌地裁は29日、「厚生労働相の裁量権の逸脱や乱用があるとはいえない」として生存権の侵害を認めず、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

原告弁護団によると、29都道府県で同種訴訟が争われ、判決は3件目で憲法判断したのは初めて。昨年6月の名古屋地裁に続き2例目の請求棄却で、今年2月に大阪地裁は処分を取り消していた。

武部知子裁判長は判決理由で、厚労相が基準額を定めるには、国の財政事情を含めた複雑多様な考察とそれに基づく政策判断が必要と指摘。独自の物価指数を基に基準額を算出したことや個別の受給者の生活状況を考慮しないからといって、判断に誤りがあるとはいえず生活保護法にも違反しないと結論付けた。また原告の生活が憲法25条の保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の水準を下回っているとは認められないとした。

受給者側の「政治的な意図があった」との主張は「自民党の政策の影響を受けていないとはいえないが、国の財政事情を踏まえた政策で問題はない」として退けた。

国は13年8月から3年間に基準額を平均6.5%、最大で10%引き下げ、計約670億円が削減された。受給者側は生活実態を考慮せずに引き下げたのは厚労相の裁量権の乱用に当たり、憲法や生活保護法に違反するとして14~17年に道など6自治体を訴えていた。

原告弁護団の渡辺達生弁護士は閉廷後に記者会見し「こちらの疑問に正面から答えていない逃げた判決だ。ここでやめることはできない」と控訴の方針を表明。厚労省は「基準額改定が適法と認められたと承知している。今後とも自治体と連携を図りつつ、生活保護行政の適正な実施に努める」とのコメントを出した。〔共同〕

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