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ゴーン元会長逃亡、支援の米親子到着 経緯解明へ

(更新)

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(66)の海外逃亡事件で、逃亡を手助けしたとされる米国人親子2人が2日、日本に引き渡され、東京地検特捜部が犯人隠避の疑いで逮捕した。特捜部は逃亡の経緯解明を急ぐが、有効な供述を引き出せるかどうかは見通せない。

逮捕されたのは米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」元隊員のマイケル・テイラー容疑者(60)と息子のピーター・テイラー容疑者(28)。2人は2日午後4時15分ごろに米ボストン発の航空機で成田空港に到着した。様子がうかがえないようシートで覆うなど厳戒態勢がとられ、同日夜に東京拘置所に移送された。

逮捕容疑は2019年12月、保釈中のゴーン元会長を箱に隠してプライベートジェット機に搭乗させ、レバノンに逃亡させた疑い。マイケル容疑者とともに元会長に同行したとされる米国籍のジョージ・ザイェク容疑者(61)の行方は明らかになっていない。

事件はその手口が国内外の注目を集めた。元会長は保釈条件で指定された東京都港区の住居から1人で外出し、区内のホテルでマイケル容疑者らと合流。マイケル、ザイェク両容疑者と新幹線などで関西国際空港近くのホテルへ移動した。元会長は大きな箱に隠れたまま保安検査を通過し、プライベートジェット機で出国した。

マイケル容疑者は元会長を関空まで護衛し、箱をプライベートジェット機に積み込んだとされる。ピーター容疑者は19年7月から逃亡前日まで、元会長と少なくとも8回面会しており、逃亡計画について事前に協議していた可能性が高い。

米司法当局が連邦地裁へ出した資料によると19年10月、元会長名義のパリの口座からピーター容疑者経営の企業に計86万2500ドル(約9000万円)が送金された。また20年1~5月には、元会長の息子が複数回に分け約50万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)をピーター容疑者に送金。特捜部は協力への報酬だった疑いがあるとみている。

2019年12月、トルコのイスタンブール空港で防犯カメラに写ったマイケル・テイラー容疑者(中央)(AP=共同)

元会長は19年4月の保釈以降、インターネットや携帯電話の使用を制限されていた。国境をまたぐ逃亡をどう計画し、日本の出入国管理の目を欺いたのか。特捜部の捜査で全容が解明されるかが焦点になる。

取り調べが円滑に進むかは不透明だ。一橋大法学研究科の王雲海教授(比較刑事法)によると米国では取り調べに原則弁護人が立ち会うが、日本では認められない。王教授は「米国は訴追見送りや減刑など司法取引に基づく自供が多く、この点も日本と異なる。自供を求める検察に対し親子が黙秘する可能性はある」と指摘する。

ゴーン元会長は現在、妻のキャロル・ナハス容疑者(54)=偽証容疑で逮捕状=とともにレバノンに滞在。日本の捜査当局は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて元会長を国際手配しているが、日本とレバノンとの間に身柄引き渡しに関する条約はなく、実現の見通しはたっていない。

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