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22年度からの高校教科書、必修「情報」でプログラム作成

文部科学省は30日、2022年度から高校で使う教科書の検定で共通・専門あわせて296点が合格したと公表した。新たな学習指導要領に基づいて必修科目となる「情報Ⅰ」でプログラムの作成が盛り込まれるなど、IT(情報技術)への対応が進んだ。知識を用いて実践や議論に取り組む「探究型学習」も多くの教科書で取り入れられた。

新指導要領は、知識詰め込み型の受験対策に偏ってきた高校教育を改め、「主体的・対話的で深い学び」によって思考力や表現力の育成を目指すとした。理科や数学の知識を用いて探究する「理数探究基礎」も新たな科目として置くなど、生徒が受け身にならない授業を促す。

22年度からは教科や科目構成が大きく変わる。「情報」や「理数」の新設に加え、これまでの国語総合が「現代の国語」「言語文化」などに分かれるほか、日本史と世界史を合わせた「歴史総合」ができる。公民のうち現代社会は「公共」に衣替えする。

大きな目玉となるのが情報Ⅰのプログラミング学習だ。03年度に導入された教科「情報科」では2つの選択科目のうち1つにのみプログラミングが含まれていた。22年度からは全生徒がプログラミングを学ぶことになる。

0~9の目まで出る「電子サイコロ」で3つの目がそろって当たりとなる確率をはじき出すソフトや、鉄道の駅番号から駅名を検索するシステムをつくる実践的な内容が全ての教科書に盛り込まれた。

歴史総合の教科書を開くと、江戸時代に鎖国をしていた日本と貿易していた明や清(中国)、オランダとの関係を学んだ次のページでは、清の経済発展を軸にアジアの「華僑社会」の形成までの流れを説明している。

指導要領では「歴史の大きな変化に着目し、世界とその中の日本を広く相互的な視野から捉える」ことを重視。日本と世界を切り分けず歴史を学ぶつくりになった。

「現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察する学習」も必要だとして、これまで授業で扱いきれなかった近現代史を学べるよう、教科書の最初に持ってくる構成も目立った。

公共で取り扱うテーマは現在の現代社会と大きく変わらないものの、指導要領の「現実社会の諸課題から主題や問いを設定し、追究したり探究したりする学習の展開」を授業で取り組ませるしかけが多かった。

課題を設定するために新聞などから情報を集める方法やプレゼンテーション、ディベートのやり方を学ぶ項目も見られた。

公共や「家庭」の教科書では情報リテラシーに関する記述が増えた。文科省教科書課は「SNS(交流サイト)が普及するなか、リテラシーを身につける重要性が高まっていることが背景にあるのだろう」と説明。フェイクニュースやファクトチェックに関する記載もあった。

教科書検定

 教科書会社が編集した教科書が学習指導要領に則しているか、範囲や表現は適切かなどを審査し、合格すれば学校での使用を認める制度。文部科学省の教科書調査官がまとめた調査意見をもとに、大学教授らで構成する文科省の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」が審査する。
記述の誤りなどについて検定意見が付された場合、教科書会社は内容を修正して再審査を受ける。小中学校は全学年、高校は各学年分を原則4年ごとに行う。教育委員会などの採択を経て実際の使用は検定の翌々年度になる。
教科書検定審議会は2020年12月、非公開で進められる教科書検定の内容を教科書会社が検定期間中に公表したり、外部に漏らしたりした場合、次回の検定を含め不合格とする罰則を新設するよう求める提言をまとめた。文部科学省は検定規則の実施細則を改定し、早ければ2021年度検定から罰則を適用する方針。

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