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子どもの権利、絵本で知る コロナ禍に国連声明紹介

どんな時も、子どもの声を聴こう――。新型コロナウイルス感染拡大に際し、国連の子どもの権利条約に関する委員会が出した声明を紹介する絵本が話題を呼んでいる。自費出版した仏教大の長瀬正子准教授(43)は「コロナ禍において、私たちは子どもに分かる言葉で話し、一緒に考えているだろうか。共に危機に立ち向かう対話の始まりになれば」と話している。

熊のぬいぐるみとくつろぐ女の子の絵。そのページの説明は「子どもには、どんなときも、休む権利や、遊ぶ権利があります」。絵本「子どもの権利と新型コロナ」は国連の子どもの権利委員会が昨年4月、コロナ禍で大切にすべき11項目を挙げた声明を紹介。最善の利益の尊重、意見表明権などに基づく内容だ。

当時は学校の一斉休校などで、子どもの学びや遊びの機会が奪われていた。国のリーダーが自らの言葉で、子どもたちへ現状を説明した国もあったが、日本では子どもの権利という言葉の浸透すら不十分なのが実態。児童福祉が専門で、もどかしさを感じていた長瀬さんは昨年5月5日のこどもの日、分かりやすい言葉で翻訳した声明をインターネット上で公表。反響があり、幼い子にも伝わるようにして、との声が寄せられた。

絵本が完成したのは昨年9月。長瀬さんの友人で、「momo」の名で絵を描いた百瀬亜希さん(44)は「声明はラブレターのよう」と言う。自身もコロナ禍の生活で「心も体も硬くなり、絵が描けなくなっていた」。精神障害のある人の通所施設で働くが、利用者はより強く生きづらさを感じているように思えた。

声明は、遊びの大切さを訴え、よりつらい状況になっている子どもへの視点を求めており、「本来こういう世界であってほしい、という願いが込められている」。百瀬さんにとっても励ましになり、再び絵を描く原動力にもなった。

絵本は口コミで読者を増やしている。長野県茅野市の観光振興団体「ちの観光まちづくり推進機構」の高砂樹史専務理事(55)は、知人の紹介で絵本を読み「今こそ、子どもの権利を考える時だ」と思ったという。

機構のスローガンは「住んでよし、訪れてよし」。高砂さんは「子どもたちに自分や仲間の権利を知り、守り、この地域に住んで良かったと思えるようになってほしい。そんな街なら観光にも来てくれる」と話す。機構は願いを込めて市内の全中学校に絵本を寄付した。

絵本は内容を改訂しながら既に第4版計約3千部を刊行した。1100円、売り上げの一部は子ども支援団体に寄付する。購入方法など詳細は長瀬さんのサイト「ちいさなとびら」で確認できる。〔共同〕

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