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台風時 船舶に避難命令へ、湾内の出入りを制限

台風21号の強風に流され、関西国際空港連絡橋に衝突したタンカー(2018年9月)=共同

海上保安庁は大型台風の接近時に船舶の湾外避難や航行制限を勧告・命令できる制度を設ける。台風による強風で船が流されて他の船や橋に衝突する事例が相次いだことから、早めに安全な場所への避難を促す。開会中の通常国会に海上交通安全法改正案などを提出し、今年の台風シーズンまでに運用開始を目指す。

国土交通相の諮問機関である交通政策審議会の部会が1月下旬、異常気象に伴う安全対策を盛り込んだ答申をまとめた。多くの船舶が行き来する東京湾や伊勢湾、瀬戸内海などの海域を対象としている。

大型台風の直撃が予想される際、大型船に対して湾外への退去のほか、湾内に入らないよう勧告・命令、命令に従わない場合の罰則も検討する。

空港や石油備蓄基地、東京湾アクアラインといった施設の周辺海域については、事故発生時の物流などへの影響が大きいため、いかりを海底におろして船をとめる「錨泊(びょうはく)」も制限する。

現在は港内での船舶交通などについて定めた港則法に基づき、港からの退去は勧告・命令できるが、湾の出入りに関する法律上の規定はない。

これまで海上保安庁は行政指導で要請してきたものの、運航が滞ると荷主や物流に広範な影響が出るといった事情から、船舶側が応じないケースもあった。

近年、勢力の大きい台風の襲来に伴う強風でいかりが移動し、船舶が流される「走錨」状態に陥り、空港などに衝突する事故は相次いでいる。

近畿地方を中心に大きな被害をもたらした2018年9月の台風21号ではタンカーが流され、関西国際空港の連絡橋に激突。連絡橋の損傷で道路や鉄道が寸断し、空港利用客ら約8千人が一時孤立した。

19年9月の台風15号では、東京湾内に345隻が停泊していたところ、他の船舶との接触を避けようとした船舶が走錨した事例も含め、6隻による4件の衝突事故が発生した。

異常気象に伴って災害が頻発するなか、同庁は湾内で事故が多発する一因に船舶の混雑があるとみている。湾外への避難推進を図る上での法的根拠を明確にし、事故の防止につなげたい考えだ。

走錨対策としては、人工知能(AI)を活用した警戒システムの導入も視野に入れる。過去の航行データを基に走錨する船舶のパターンを分析。走錨の予兆を早期に検知し、船舶に注意喚起できるようにする。

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