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「数日だけ里親」広がる 育児疲れで利用増

(更新)
 福岡市で開かれた里親同士の交流会で、相談を受ける永井里美さん(右、2020年12月)=共同

子どもを預かるショートステイ事業の拡充策として、里親の養成が福岡市などで進んでいる。これまで受け入れ先は児童養護施設などが中心だったが、「育児疲れ」で利用者が増え、受け皿が不足。このため、自治体側は家庭的な環境下で子どもを預けることができる里親制度の活用を決めた。専門家は「里親が増え、保護者が気軽に頼れる制度になれば」と期待する。

「一緒にご飯を食べたりお風呂に入ったり、家族が増えたようだ」。福岡市西区の大仁香織さん(51)は3人の子育てをしながら、里親としてこれまでショートステイの乳児や小学生ら計8人を自宅で受け入れてきた。「近所の子を預かった時には、保育園にそのまま通わせられた。いつも通りだと子どもも安心する」と事業の利点を語る。

 福岡市の子どもを預かるショートステイ事業や里親制度を説明する冊子=共同

福岡市の事業の預かり日数は最長7日間が原則だが、事情に応じて対応する。理由のトップは育児疲れ。年々利用が増加する一方、土日に集中するほか、施設の遠さから利用を諦める人も多かったことから、市はNPO法人「SOS子どもの村JAPAN」と連携し、里親の養成に取り組んできた。

市などによると、里親には養子縁組が前提のものや、家庭に戻るまで一定期間養育するなどさまざまなものがある。特別な資格は必要なく、面接や研修などを経て登録となる。

NPOは2014年から「里親って?カフェ」を開催。経験者の声を聞いてもらう取り組みや、SNS(交流サイト)などを使い制度の周知を進めてきた。

登録後も家庭訪問や里親同士の交流会などを行い、預かり中も24時間体制で電話相談に応じる。NPOの永井里美さん(37)は「里親も緊張や不安を抱えている。安心して活動できるよう、しっかりと支えていきたい」と力を込める。

兵庫県明石市は17年から、小学校区に1人の里親確保を目指し「里親100%プロジェクト」を開始。当初、ショートステイなどの短期預かりは福岡と同様、施設が中心だった。担い手の確保が進み、19年度には里親の自宅預かりが施設を超え、利用日数全体の7割以上を占めた。

明石市の明石こどもセンターさとおや課の小倉篤郎課長は「里親というと何年も育てるイメージが根強い。短期の里親もあることを周知することで、担い手側の心理的なハードルを下げたいと考えた」と説明。活動支援のため、ベビーカーやチャイルドシートなどを無料で貸し出している。

里親制度に詳しい静岡大の白井千晶教授(家族社会学)は「短期間であっても救われる親がいる。身近に里親が増えることで、親が気軽に頼れる選択肢の一つになればいい」と話す。〔共同〕

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