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消防団員の待遇改善検討 減少に危機感、報酬引き上げも

災害現場で捜索に当たる消防団員ら(2020年10月、宮城県丸森町)=共同

総務省消防庁は、地域で消火活動や災害救助に当たる消防団員を確保するため、待遇改善に向けた検討を始めた。少子高齢化などで減少傾向が止まらず、地域防災力が低下しかねない。団員に支払う報酬や出動手当の引き上げを視野に有識者会議で議論し、今夏にも対策の方向性を打ち出す。

全国の消防団員は1955年に200万人近くいたが、90年に100万人を割り込んだ。2020年の団員数は過去最少の約81万8千人。若年層を中心に入団者数も落ち込み、20年の団員数は前年比で約1万4千人減少した。1万人以上減ったのは2年連続で、消防庁は「危機的状況」と強調する。

背景には、地域社会と消防団とのつながりが薄れていることや、普段はサラリーマンとして働く人が増え、消防団活動との両立が難しい事情もある。全団員に占める20~30代の割合は65年の88%から20年は43%に半減し、高齢化も進んでいる。

消防関係者は「対価の低さも背景の一つ」とみる。各市町村が条例で定める年額報酬は、20年の一般団員の平均額で3万925円で、月額に換算して2500円ほどだ。昼夜を問わず、危険も伴う消火活動などに従事した際に支払われる出動手当は、1回当たり数千円。現場から「団員の献身的な取り組みに対し手当が少ない」(関係者)との声が上がる。

このため消防庁は、各地の団員活動や手当支給の実態調査に着手した。報酬や手当を引き上げることが団員確保の有効策となるかどうかを含め、調査結果を有識者会議での議論に反映させる考えだ。女性や学生らに的を絞った入団PRにも引き続き取り組む。

有識者会議は昨年12月に初会合を開催した。出席者からは「出動手当を1回当たりでなく時給制にしたらどうか」「手当が支払われる活動の解釈が消防団によって違う。基準を明確にすべきだ」など、待遇改善に向けた意見が相次いだ。

▼消防団員 会社員や自営業者、主婦、学生など普段は他の仕事や学業をしながら地域の消防団に所属し、火災発生時の消火活動や災害時の住民救助、避難誘導などに当たる。身分は非常勤の地方公務員。原則として18歳以上で、その地域に居住または勤務していれば誰でも入団できる。
一方、消防署に常駐する「消防署員(消防士)」は、自治体職員と同じ常勤の地方公務員。自治体の消防士採用試験に合格する必要があり、消防・救急業務を専業としている。

〔共同〕

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