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東日本大震災から10年 沿岸部のインフラ、復旧にメド

東日本大震災の東北被災地は、壊滅的な津波被害を受けた沿岸部で交通インフラがほぼ復旧し、防潮堤の整備や住宅再建も進む。一方、福島第1原子力発電所事故の影響で原則立ち入り禁止の区域は7市町村で残るなど、地域再生への課題は多い。

防潮堤、7割整備

工事が進む防潮堤(2020年12月、岩手県大槌町)

津波で大きな被害が出た沿岸部。国は2020年度末までに青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県621地区で防潮堤や護岸の整備を終える方針を掲げ、同年9月末までに計画の7割超が完成した。

防潮堤の高さや配置を巡る地元の合意形成などに時間がかかる例もあり、岩手県は工法変更などによって十数カ所の工事が滞っている。担当者は「21年度に工事を終えられるよう作業を進めたい」とする。

復興道路、完成へ

20年11月に小泉海岸ー本吉津谷インターチェンジ間が開通した三陸沿岸道(宮城県気仙沼市)

交通インフラはほぼ震災前の水準に戻った。復興庁によると、20年9月末時点で直轄国道は1161キロメートルが開通し、完全復旧。県や市町村が管轄する道路も99%まで復旧工事が完了した。

国が進める自動車専用道の復興道路・復興支援道路(総延長584キロ)も完成が近づく。東北地方整備局によると、20年12月までに約8割の458キロが開通。復興庁の担当者は「内陸部との往来も便利になった。早く全線開通し、被災地の期待に応えたい」と話す。

鉄道、全線で再開

原発事故の影響で一部不通となっていたJR常磐線が20年3月、9年ぶりに全線で再開し、首都圏と東北を結ぶ大動脈が復活した。

JR常磐線の富岡―浪江間を走る列車(20年4月)

再開したのは、富岡(福島県富岡町)―浪江(同県浪江町)間の約20・8キロメートル。この区間は放射線量が高い「帰還困難区域」となっていたが、同年3月に避難指示が解除され、特急「ひたち」は東京と仙台を結ぶ運行も可能になった。

被災3県、宅地整備が完了

岩手県陸前高田市は2020年12月、被災者が住宅を再建するためにかさ上げした宅地の造成を終え、引き渡し手続きを進めている。これにより、大きな津波被害を受けた岩手、宮城、福島3県で計約1万8000戸分の宅地整備が全て完了する。

岩手県陸前高田市に立ち並ぶ災害公営住宅(20年12月)

住宅を自ら確保することが困難な人向けに供給する災害公営住宅は約3万戸が造られた。岩手県盛岡市内の住宅が20年末に完成し、原発周辺を除く計画分の供給は終わった。

福島、7市町村で「帰還困難区域」残る
原発事故の影響で福島県の11市町村に出された避難指示は2014年4月以降、順次解除が進む。ピーク時に16万人超いた県内外への避難者数は4万人強まで減った。
一方、原則立ち入り禁止の帰還困難区域は7市町村で残る。商業施設や医療・福祉施設などの整備は道半ば。「戻って住みたいと思える環境ではない」(同県いわき市で避難生活を送る双葉町の住民)などの声もあり、地域再生への課題は多い。

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