栃木の山火事、延焼続く 約180世帯に避難勧告
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栃木県足利市西宮町の山林で起きた火災は24日も燃え続け、同日午前6時半ごろから、陸上自衛隊のヘリコプターの散水や足利市消防本部などによる消火活動が続けられた。焼失面積は約76.5ヘクタールに及び、出火から3日たっても鎮火の見通しは立っていない。
市によると、現場は両崖山(約250メートル)一帯の山林で、ハイキングコースとして親しまれている。21日午後3時半ごろ、山林が燃えていると登山者から119番があった。22日からは県の防災ヘリと陸自のヘリに加え、総務省消防庁を通じて出動を要請した茨城県や埼玉県のヘリも消火活動に当たった。
24日は横浜市や山梨県にも出動を要請し、日没まで空からの散水を続けた。延焼は続き、市は24日までに約180世帯に避難勧告を出した。午後7時時点で、21世帯37人が市の施設に避難している。
足利市本城に住む自営業の男性(77)は24日朝、ヘリコプターの音で目が覚めたという。「両崖山は地元民に愛されるハイキングコースで、しょっちゅう行っていた。もう丸3日も燃え続けていて心配」と不安げに話した。
足利市西宮町の40代の女性会社員は23日夜、自宅に火が迫り、様子を見ようと避難所から一度帰宅。避難所にペットを連れて行けず、23日夜から24日朝まで家族と交代で眠った。「昨夜は山が真っ赤で、風も強く、心配でよく眠れなかった」と話した。

〔共同〕