動物園でライチョウ繁殖へ 環境省、野生復帰に向け
環境省は22日までに、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウを長野県の中央アルプスで増やすため、中アに生息するライチョウを動物園に移送して繁殖させた後に、野生復帰させる計画を発表した。8月にも移送を始める。
環境省によると、中アに生息するライチョウ2家族を8月上旬、那須どうぶつ王国(栃木県那須町)と茶臼山動物園(長野市)へ移送。増えた個体の一部を、中アに返して野生復帰させる。
中アでは1969年以降、ライチョウの目撃がなく絶滅したと考えられていたが、2018年に約半世紀ぶりに雌1羽を確認。昨年8月には、北ア乗鞍岳から中ア駒ケ岳に19羽を移送するなど、生息数を増やすための取り組みを進めてきた。
同省信越自然環境事務所の小林篤生息地保護連携専門官は「難しい計画だが、ライチョウの復活に向けて最善を尽くしたい」と意気込んだ。〔共同〕