池袋暴走、元院長を提訴 妻子亡くした男性

東京・池袋で2019年4月に起きた乗用車暴走事故で、妻の松永真菜さん(当時31)と長女、莉子ちゃん(同3)を亡くした拓也さん(34)が20日までに、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(89)に、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと明らかにした。
拓也さんは19日、東京地裁で開かれた飯塚被告の公判後に記者会見し「早く真実を被告から聞きたい」と説明。提訴は昨年10月8日付で、請求額などは公表していない。刑事裁判で被告本人の話を聞ける時期の見通しが立たなかったため、提訴したという。
起訴状によると、被告は19年4月19日昼すぎ、東京都豊島区東池袋4の横断歩道を自転車で渡っていた2人をはねて死亡させ、助手席の妻を含む男女9人に重軽傷を負わせたとしている。
昨年10月の初公判では「車に何らかの異常が発生し、暴走した」と無罪を主張した。〔共同〕