コロナ医療、機器あれど医師おらず 効率的な体制不可欠
コロナ医療の病巣(2)
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機器があっても扱える医師がいない――。新型コロナウイルスの重症患者の治療に使う体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)は昨年2月時点で全国で1412台あったが同時に使えるのは300台程度。扱える専門知識と経験がある医師が少なかったからだ。
緊急事態宣言が発令された昨年4月、厚生労働省は緊急対策としてエクモの研修事業を盛り込んだ。日本集中治療医学会の専門医らでつくるグループ「エクモネット」が事業を担い、当面800台の同時稼働を可能にすべく人材育成を急いだ。今年2月までに研修を受けた医師などは約2千人を超えた。
だがエクモが3台ある東京都内の大病院の院長は「人手が足りず同時稼働できるのは2台が限界」と明かす。今なお機器があっても使えない病院は多い。
同ネットの竹田晋浩代表は「1台のエクモを動かすのに多くの医師などが必要。とても800台同時に使える状態ではない」と首を振る。...
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