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ヤンバルクイナ生息域回復 飼育努めマングース駆除も

環境省の施設で飼育されるヤンバルクイナ(2020年11月、沖縄県国頭村)=共同

世界自然遺産候補地の沖縄本島北部で、希少な鳥類ヤンバルクイナが生息域を回復している。環境省やんばる自然保護官事務所によると、希少動物を捕食する外来種のマングースの駆除が進んだためとみられる。環境省は北部に設けた施設でヤンバルクイナの飼育・繁殖にも努める。同じ候補地の鹿児島・奄美大島でもマングース根絶に向けた活動が進む。

ヤンバルクイナは飛べない鳥で本島北部の固有種。同事務所によると、1910年に毒蛇のハブの駆除を目的に沖縄本島に持ち込まれたマングースが分布域を拡大するのに伴い、ヤンバルクイナの生息域が縮小。2000年度から沖縄県が、01年度から環境省がマングースの捕獲に乗り出した。

北部での捕獲数のピークは07年度の619頭で、19年度は39頭にまで減った。同事務所は「マングースの個体数と分布域は順調に縮減している。これまでの対策でヤンバルクイナなど希少種の回復傾向が見られる」と分析。26年度までに、北部でマングースの完全排除を目指している。

ヤンバルクイナを保護する活動は他にもある。環境省は10年、飼育・繁殖する施設を沖縄県国頭村に設立。遺伝子型などに配慮しながらペアリングし、交配させている。交通事故で救護されたヤンバルクイナが運び込まれたり、親鳥が抱卵を途中放棄した卵を回収してふ化させたりするケースもあるという。

施設では、野生で生き延びるため、元気がよく警戒心の強いヤンバルクイナを選び、カラスやヘビが危険だと学習させてから一部を野生に放している。20年12月下旬時点で72羽を飼育する。

同事務所の上席自然保護官、伊藤勇三さん(63)は「地域の念願である世界自然遺産登録のためにも固有種の保全を進めていきたい。ヤンバルクイナに限らず野生生物の保護には、地域の方々と一緒に活動することが大事だ」と話している。

一方、奄美大島でも希少種アマミノクロウサギなどの保護対策が課題となっている。環境省は捕獲専門のマングースバスターズを結成するなど官民で駆除事業を進め、19年度は捕獲数がゼロだった。同省は「ケナガネズミなどの在来種は、事業の成果で生息状況の回復傾向が確認されている」と説明しており、22年度までの根絶を目指す。

沖縄本島北部と奄美大島は世界自然遺産候補「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)を構成。20年に登録審査予定だったが、新型コロナウイルス禍で21年に延期された。〔共同〕

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