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建設アスベスト訴訟、国の賠償初確定 最高裁

(更新)

建設現場でアスベスト(石綿)を吸い健康被害を受けたとする首都圏の元建設作業員や遺族らの集団訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は16日までに、二審で国の賠償対象となった原告側と国双方の国家賠償請求に関する上告を退ける決定をした。同種訴訟で「一人親方」などを含む作業員への国の賠償責任が初めて確定した。

決定は14日付。裁判官5人全員一致の意見。

建材メーカーへの賠償請求に関する上告の一部は受理し、2021年2月に当事者の意見を聞く弁論期日を指定した。メーカー側の責任を否定した二審・東京高裁判決を見直す可能性がある。

18年3月の東京高裁判決は、遅くとも1975年以降に「国は防じんマスクの着用や警告表示を義務付けるべきだった」と指摘。石綿を含む製品の製造・販売が原則禁止となった2004年までに規制しなかったのは違法だと結論づけた。

「有害物の規制や職場環境の保全という労働安全衛生法の趣旨・目的は労働者以外も保護するものだ」として、一人親方や個人事業主への国の賠償責任も幅広く認めた。救済対象の原告は一審・東京地裁の170人から327人に増え、国に約22億8千万円の支払いを命じた。

一方で「原告らが働いた現場に被告企業の製品が到達したと証明されていない」と判断し、建材メーカーの賠償責任は否定した。

厚生労働省によると、建設現場の石綿被害を巡る訴訟は22件(11月末時点)ある。原告は1千人以上で、国への請求総額は約347億円に上る。

第1小法廷には横浜、大阪、京都の各地裁で起こされた訴訟も係属中。▽国の規制権限のあり方▽一人親方や個人事業主への国家賠償法上の責任▽メーカーの賠償責任――を巡り二審の判断が割れており、同小法廷は一定の方向性を示すとみられる。

厚労省は「国の損害賠償義務が認められたことは重く受け止めている。今後について関係省庁と協議・検討したい」とコメントした。

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