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教員の質向上へ改革諮問 文科相、デジタル化などにらみ

中教審の渡辺光一郎会長(右)に諮問文を手渡す萩生田文科相(12日午後、文部科学省)=共同

萩生田光一文部科学相は12日、教員の質向上につながる養成や採用、研修のあり方を検討するよう中央教育審議会(中教審)に諮問した。小学校全ての学年で実現する「35人学級」やデジタル化が急速に進むことなどを踏まえ、教員の指導力を高め、より質の高い教育を提供できる体制を整える必要があると判断した。

諮問は、教員の養成・採用・研修を一体的に検討する必要があるとして①資質能力の再定義②優れた人材確保に向けた採用のあり方③教員免許制の見直し④教員養成大学などの機能強化⑤教員を支える環境整備――の5つを挙げた。

特に教員免許の更新制度については、優先して結論を出すよう求めた。現在は10年に1度、30時間以上の講習を受ける必要があるが、諮問は「必要な教員数の確保と資質能力の確保が両立できるような抜本的な見直しについて先行して結論を得てほしい」とした。萩生田氏は「多忙な中で、経済的・物理的な負担感が生じているとの声がある」と理由を述べた。

文科省は更新制について、教員に対して初の実態調査に乗り出す。夏までに結果をとりまとめて中教審に示し、議論を促す方針という。

萩生田氏は同日の中教審の総会で、教員は長時間労働のイメージが先行するなど「魅力的な職業としての社会的認識が必ずしも十分ではない」とし、採用倍率の低下を招いていると指摘。学習用端末が配備され校内のICT(情報通信技術)環境が整うのに合わせた指導方法の変化に向け「適切に対応できる多様性と柔軟性を備えた組織となっているか指摘がなされている」とも述べ、教員の質確保に危機感を示した。

タブレット端末を使い国語の授業を受ける児童(2019年12月、東京都杉並区)

中教審は1月に示した答申で、デジタル化や35人学級の実現に向け、子ども1人1人に合ったきめ細かい指導体制を整える必要があるとした。教員については「主体的な学びを支援する伴走者としての役割」が求められるとし、ICT活用の指導力を高めるよう求めた。

経済協力開発機構(OECD)が2018年、79カ国・地域を対象に「デジタル端末を授業に取り入れるために必要な技術や指導力を持つ」と校長が評価する学校に通う15歳の生徒の割合を調べたところ、日本は27.3%と最下位だった。

3月末には学習用端末がほとんどの小中学校でそろい、4月からはICT環境下での授業に取り組む。紙と同一の内容を端末画面に表示するデジタル教科書の本格導入にむけた実証も全国的に始まり、効果的な指導を検討しなければならず、教員育成が急務となる。

中教審は同日付で総会のもとに特別部会の設置を決め、諮問内容に関する検討を進める。

萩生田氏は「第3次学校安全の推進に関する計画」の策定についても諮問した。策定は学校保健安全法に基づき、現行の計画は21年度末までとなっている。新型コロナウイルス感染対策と安全対策の両立などを論点としてあげ、約1年後に結論を出すよう求めた。

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