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司法取引、証言で攻防 元室長「ゴーン元会長が指示」

日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(66)の事件の公判で、報酬隠しに関わったとされる元秘書室長の証人尋問が終わった。司法取引で起訴が見送られた「キーマン」は検察側の主張に沿う証言を重ねた。公判は2021年7月まで期日が指定され、同じく司法取引に応じた外国人役員の尋問などを巡り、検察側と無罪を求める元代表取締役の弁護側の攻防が続きそうだ。

大沼敏明元室長(61)は07年9月~19年3月末に秘書室長を務め、開示を免れた「未払い報酬」の管理を担当したとされる。ゴーン元会長らの逮捕直前の18年11月1日、捜査・公判への全面協力と引き換えに司法取引で検察側と合意。供述内容や提出書類は立証の支えとなり、公判でも重要証人の一人に位置づけられた。

検察側の請求で出廷した元室長は9月29日~12月10日の計22回にわたり尋問を受けた。検察側尋問では、ゴーン元会長が自ら未払い分を取締役退任後に受領することを望んだとし、元代表取締役、グレッグ・ケリー被告(64)と開示を避けて報酬を支払う方法を検討したと証言。元会長の指示で未払い報酬などを一覧とし、将来の支払いを確認した「合意文書」を11年にまとめ、書面を「ケリーさんに見せた」と述べた。

対する弁護側は「報酬支払いの合意は存在しない」と訴え、元室長に「見せたのはゴーンさんらが書面に署名した前か、後か」と繰り返し確認した。元室長が「署名済みだったと思う」と答えると「供述調書と違う」と迫った。

記憶の曖昧さを浮き彫りにして証言の信用性を切り崩す狙いとみられ、他の場面でも詳細な事実確認が目立った。弁護側の尋問が始まってからも、元室長が検察と面会を重ねていたことに触れ「(証言を)訂正すべきことはないか、という話は出たのか」などと問いただす場面もあった。

公判では、法人として起訴された日産の弁護側も大沼元室長に尋問した。「(不正を)取締役などに相談しようと考えなかったのか」。こう問われた元室長は「考えなかった。アクションを起こしてくれると期待していなかった」と漏らした。役員であっても報酬については「権限を持つゴーンさんの意見にそぐわないことは言えなかった」と振り返った。

ゴーン元会長を巡る公判は9月中旬に始まり、これまでに24回開かれた。21年7月上旬までに残り50回の期日が指定されている。論告などの期日は未定だ。

年内は元法務室長ら3人、年明けには取締役退任後の報酬支払いを提案した一人とされる志賀俊之・元最高執行責任者(COO)らの尋問が行われる。

その後は大沼元室長に先立ち検察側と司法取引を協議し、合意に至った外国人専務執行役員の尋問が続く。弁護側は司法取引の背景に日産の意向があったとみて、経緯を詳しく尋ねるとみられる。

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