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小林化工116日業務停止命令 虚偽記録8割、経営陣黙認

(更新)
 記者会見で頭を下げて謝罪する、小林化工の小林広幸社長(中央)ら(9日午後、福井県あわら市)=共同

福井県あわら市のジェネリック医薬品(後発薬)メーカー「小林化工」が製造する爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、福井県は9日、医薬品医療機器法に基づき同社に116日間の業務停止命令を出した。10日から6月5日まで。延べ約500製品の8割近い約390製品で虚偽の製造記録を作成、小林広幸社長や執行役員ら経営陣は法令違反を黙認していた。製薬会社への行政処分としては過去最長となる。

同社に製造業と製造販売業の許可を与えている県は、経営陣の対応が最大の問題だと指摘。国の承認制度を軽視したずさんな医薬品製造を組織的に行い、深刻な健康被害を引き起こした同社の責任は重いと判断した。

県は、法令順守や製造・販売体制の見直しを指示する業務改善命令も出した。杉本達治知事は「睡眠導入剤成分の混入はあり得ない誤りで、企業の社会的責任は極めて重大だ」とコメントした。

小林社長は9日、あわら市内で記者会見し謝罪。長く法令違反が続いた背景を「医薬品の安定供給を口実に、問題の是正を後回しにしてきた結果だ」と説明した。

 小林化工が製造した爪水虫などの治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」の錠剤シート(同社提供)=共同

県によると、同社では少なくとも2005年から国が承認していない手順書に従い医薬品を製造。小林社長も把握していた。作業員教育は口頭のみで、立ち入り調査に備えて虚偽の製造記録を作成。1970年代の終わりごろから出荷前の品質試験を一部行わず、結果を捏造(ねつぞう)していた。

混入が起きた製品は経口抗真菌剤。昨年6月24日、2人で確認する作業を1人で実施し、本来の原料と睡眠導入剤成分を取り違えてつぎ足した。

この薬を服用した人の約7割に当たる239人に意識障害などの健康被害が認められ、70代女性と80代男性が死亡。その他の製品でも法令違反が複数確認され、同社は計41製品を自主回収した。

製薬会社に対する業務停止命令はこれまで、16年の化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)に対する110日間が最長だった。行政処分では「製造販売業許可取り消し」が最も重いが、福井県は同社が被害者への補償を進めていることを理由に、県の内規で定めた期間の上限である116日間の業務停止命令とした。〔共同〕

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