殺害40年ジョン・レノン追悼 NYでファンが代表曲合唱

【ニューヨーク=共同】ビートルズのメンバーだったジョン・レノン(当時40)がニューヨークで射殺され40年となった8日、現場近くの広場に多数のファンが集まり「イマジン」などの代表曲を次々と合唱して追悼した。米社会の分断や新型コロナウイルス感染拡大など社会不安が増す中、レノンが訴え続けた「ラブ・アンド・ピース」のメッセージをかみしめた。
今も現場のアパート「ダコタハウス」に住むという妻、オノ・ヨーコさん(87)はツイッターに「40年たち、(子どもの)ショーンとジュリアン、私はまだ寂しく思っている」と投稿。レノンの物とみられる血の付いた眼鏡の写真に「ジョンの殺害以来、米国では銃で143万6千人以上が殺された」と書き添え、銃犯罪の根絶を訴えた。
新型コロナ感染拡大で追悼コンサートなどはオンラインで事前に開かれたが、ファンは命日を一緒に過ごそうと現場に近いセントラルパークの記念広場「ストロベリー・フィールズ」にマスク姿で集結。「イマジン」の文字があしらわれた広場のモザイク模様の上に花や遺影を飾り、バンド演奏が合唱をもり立てた。
「ストロベリー・フィールズの住人」を自称するマイク・イーガンさん(38)は「今もジョンが生きていれば、きっと分断された世界に『カム・トゥゲザー』(一緒にやろうぜ)と呼び掛けたと思う」と話し、ビートルズのヒット曲を引き合いに、レノンのメッセージを代弁した。
西部アリゾナ州から訪れたデザイナーのローリー・グッドローさん(42)は、広場の隅で歌に聞き入っていた。「彼は今もストロベリー・フィールズにいるべきだった。愛と平和。互いに愛し合おう。今もそう訴えていると思いたい」と話した。
8日午前から集まり始めたファンらは夜には100人超にまで増え、家族連れやカップルらが広場の外まで歌声を響かせた。
事件で逮捕され、禁錮20年以上の不定期刑で収監されたマーク・チャップマン受刑者(65)は8月、11回目の仮釈放申請を棄却された。〔共同〕