はやぶさ2投下のカプセル、ガス検出 小惑星由来か

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、探査機はやぶさ2がオーストラリアの砂漠に投下したカプセル内の容器からガスを検出したと発表した。小惑星りゅうぐう起源の可能性は高いとみられる。カプセルは8日に日本に到着する見込みで、JAXAは同日午前に記者会見する。今後、小惑星の岩石の詳細な分析が進むと期待される。
りゅうぐうは、有機物を含む「C型」と呼ばれるタイプ。有機物はガスを発生させるため、ガスを検知できれば、地球由来の物質が混入していない限り、りゅうぐうの有機物を採取できた公算が大きくなる。
JAXAは今回、カプセルの内部の状態を確認するための施設をオーストラリアに設置。この施設にカプセルを運び、揮発しやすいガスの組成を素早く調べた。初代はやぶさでは行わなかった新たな取り組み。
ガスについてJAXAは「ガスの分析、データ評価をしたが、りゅうぐう起源かどうかはまだ分からない」と説明。ただ容器は正しく密閉されていることが確認できたため、りゅうぐうに関連する物質が入っている可能性が高いとみられる。
JAXA相模原キャンパス(相模原市)には、カプセルの中身を詳細に調べる専用の装置がある。現地での簡易検査の後、JAXAはカプセルを日本に空輸し、同キャンパスに運び入れる。専用装置では地球の物質の混入を防ぐため真空状態で容器を開け、試料を取り出して分析する。
加藤勝信官房長官は7日の記者会見で「世界初となる小惑星内部のサンプルが採取されていることを、大きな期待を持って見守っていきたい」と述べた。〔共同〕