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戦没学徒らの作品演奏 東京芸大「音楽で継承」

東京芸術大が開いた、太平洋戦争中に学徒出陣で命を落とした学生や卒業生らが残した楽曲の演奏会(6日午後、東京都台東区)=共同

東京芸術大(東京・台東)は6日、太平洋戦争中に学徒出陣で命を落とした学生や卒業生らが残した楽曲の演奏会を開いた。日米開戦のきっかけとなった米ハワイ真珠湾攻撃から8日で79年。企画した音楽学部大学史史料室の橋本久美子非常勤講師は参加者に「演奏とは、作曲者と奏者の対話。私たちは直接の戦争の記憶を持たないが、語り継ぐことにつながるのではないか」と呼び掛けた。

演奏会では、戦没した5人の声楽曲や合唱曲が紹介された。そのうちの1人、戸田盛忠さんは東京芸術大の前身である東京音楽学校に1938年に入学し、ピアノを学んだ。学徒出陣で43年に休学し、45年に出征先の中国で戦病死した。

大学史史料室のこれまでの調査では、音楽学校在籍中に出征した学生は76人。男子学生の5人に1人に当たるといい、うち11人が戦死した。

橋本さんは「実技専攻の学生が大半で、ほとんどの人が作品を残していない。美術と異なり、継承が難しい一因と言える」と解説。演奏された戸田さんの作品は、調査によって戦後に出版された山田耕筰編集の歌曲集の中から見つかった。

沖縄県出身の東風平恵位さんの生涯を描いた朗読劇も上演。音楽学校卒業後、沖縄師範学校女子部の教師になり、ひめゆり学徒隊として動員された生徒の引率中に米軍の攻撃を受け、23歳で亡くなった。生徒のために作った合唱曲「別れの曲」は、生き延びた教え子らによって戦後も歌い継がれているという。

大学史史料室は2015年から、戦死した学生の残した作品について調査を開始。19年にインターネットサイト「声聴館」を開設し、アーカイブ化を進めている。演奏会は今年7月に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大のために延期。6日は会場の収容人数を本来の142人の半数以下に抑え、来場者の検温を実施するなど感染防止策が取られた。〔共同〕

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