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6指標、病床使用率を重視 緊急事態宣言1カ月

新型コロナウイルス感染症患者の治療に当たる医療スタッフら(2020年12月、画像の一部を加工しています、東京医科歯科大提供)=共同

東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県への緊急事態宣言の発令(1月13日に11都府県に拡大)から7日で1カ月。政府は栃木を除く10都府県で3月7日まで宣言を延長したが、状況が改善した都府県は期限を待たず順次解除する方針だ。高止まりする病床使用率の改善が急務となる。

政府は4段階の感染状況で最も深刻な「ステージ4」からの脱却を宣言解除の条件とする。内閣官房によると、緊急事態宣言が発令された11都府県のうち栃木と岐阜は4日時点で感染状況を判断する6つの指標すべてが「ステージ4」を下回る一方、東京と千葉の2都県は病床の逼迫具合や療養者数、新規感染者数の3指標、埼玉、神奈川、大阪、愛知、兵庫、福岡の6府県は病床の逼迫具合と療養者数の2指標が「ステージ4」の水準だ。

政府は8日から栃木の宣言を解除する一方、残りの10都府県は3月7日まで延長した。栃木と同じく6指標すべてが「ステージ4」を脱した岐阜は愛知と生活圏や経済圏が重なるとして対象から外れたとみられる。

菅義偉首相は宣言延長を表明した際に「感染状況などが改善した都府県は期間満了を待たずに順次、宣言を解除する」と述べた。解除判断に注目が集まるが、病床逼迫がどれだけ改善したかを最も重視するとみられる。宣言発令の最大の理由だったからだ。

足元の感染状況は全国の新規感染者数(7日移動平均)が2月5日時点で2526.6人と直近ピークの4割の水準まで減る一方、病床の逼迫状況は改善の兆しが見えない。内閣官房によると、感染ピーク時に確保を想定する病床の使用率は東京で4日時点で70%を超え、埼玉、千葉、愛知、大阪など6府県も60%台を維持する。埼玉、千葉、神奈川、福岡の4県は宣言前よりも悪化している。

入院者数が減らない要因の一つは新規感染者数の水準の高さだ。全国の新規感染者数は減ったとは言え、感染が急拡大する直前の昨年12月下旬の状況に戻ったにすぎない。入院が必要な人の割合が増えている可能性もある。

入院患者の中には基礎疾患で回復後も入院が必要な人が少なくない。高齢者の場合、体力が急激に落ちてリハビリが必要になることもある。もともと高齢者施設に入っていた人もいる。こうした人の転院先が見つからず入院期間が長期化するケースも相次ぐ。

国は発症後10日以上たち、軽快後3日以上経過した人はウイルス検査なしで退院できるとするが、院内感染への不安からウイルス検査で陰性が証明された人しか受け入れない医療機関や高齢者施設は少なくない。感染力がなくてもウイルス検査で陽性が出るケースは珍しくなく、入院から2週間以上たっても退院できない事例もあるという。

厚労省は回復後の患者を引き受ける病院への診療報酬を引き上げるなど後方支援病院の拡充に注力するが、医療機関や高齢者施設でのクラスター(感染者集団)が相次ぐ中、慎重姿勢をなかなか崩さない。

感染状況の改善が不十分なまま焦って解除すると短期間で再度の宣言発令に追い込まれるとの指摘も出ている。さらに新規感染者数を抑え込んで医療機関の負荷を下げると同時に、どこまで病床の拡充や効率的利用を進められるかが解除のカギを握る。

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