国内新規感染、4900人超え最多 分科会「短期集中対策を」

国内の5日の新型コロナウイルスの新規感染者は4900人を超え、1日当たりの最多を更新した。死者も76人で最多となった。緊急事態宣言の発出を控えた首都圏では、東京都の新規感染者が1278人と過去2番目の水準となったほか、埼玉、千葉、神奈川でいずれも最多となった。
政府の新型コロナ対策分科会は5日、首都圏の1都3県は感染状況が最も深刻な「ステージ4」相当の対策が必要な段階に達しているとして「首都圏の感染状況が沈静化しなければ全国的かつ急速なまん延のおそれもある」とした。緊急事態宣言下で実施すべき具体策として、飲食店のさらなる営業時間短縮や不要不急の外出の自粛、テレワークの徹底、イベント開催要件の強化などを求めた。
分科会の尾身茂会長は5日夜の記者会見で「首都圏は今は感染対策の強化を優先事項として短期間に集中すべき時期だ」と強調、年末にかけて忘年会が原因とみられる感染者が増えたことも緊急事態宣言を求める判断材料となったと説明した。一方で「1、2週間で感染を下火にするのは無理」とも指摘し、対策が長期化する可能性にも言及した。
厚生労働省は5日、病床の逼迫具合を示す指標について、昨年12月30日時点で群馬、埼玉、東京、愛知、滋賀、大阪、兵庫、奈良、広島の9都府県がステージ4の目安に達したと発表した。
感染拡大に歯止めがかからない1都3県は8日以降、住民に対し午後8時以降の不要不急の外出自粛を求める。酒類を提供する飲食店を対象に午後10時閉店としていた時短要請は、午後8時へ前倒しする。
首都圏以外の地域でも警戒が強まっており、近畿などの12自治体でつくる関西広域連合は5日の対策本部会議で、首都圏1都3県との往来を自粛するよう住民に要請、その他の感染拡大地域とも不要不急の往来をしないよう求めた。
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