コロナ禍、初の国際会議 7日から京都で
新型コロナウイルスの感染拡大以降、国内初の国際会議となる「第14回国連犯罪防止刑事司法会議」(京都コングレス)が7日、京都市で開幕する。10カ国以上が閣僚級の代表団を派遣する予定で、オンライン参加も組み合わせた「ハイブリッド方式」で6日間、刑事司法の課題を巡って意見を交わす。東京五輪・パラリンピックまで半年を切る中、政府は感染対策に万全を期し、国際イベント成功の先例にしたい考えだ。
「コロナ禍で弱い立場の人々の命や生活が脅かされている今だからこそ、刑事司法が果たすべき役割を協議することは大きな意義がある。最善の態勢で臨みたい」。上川陽子法相は1月22日の記者会見でこう語った。
コングレスは刑事司法分野での国連最大の国際会議。5年に1度開かれ、各国の司法担当閣僚や検事総長らが参加する。カタールの首都ドーハで開かれた前回会議には約4千人が出席した。
京都での開催は2020年4月の予定だったが、感染拡大の影響で約1年延期に。各国は事前に希望する参加形態を申請しており、10カ国以上が閣僚級を派遣する見通しだ。来場参加者は各国10人まで。来日を見送って駐日大使が出席する国や、全員がオンライン参加とする国もある。
前例のないコロナ禍での国際会議に向け、入念な感染対策を練ってきた法務省。国連職員や海外からの参加者には72時間以内のPCR検査を求めるほか、宿泊用のホテルを借り上げ、会場となる国立京都国際会館(左京区)との往復は専用のシャトルバスに限定する。用務以外での外出は禁止とした。国内参加者にも、事前のPCR検査や会議前後の会食自粛などを要請した。
会場内には医療チームが常駐し、英語の話せる医師が24時間対応するホットラインも開設。参加者に感染が疑われる症状が出た場合、接触者をすぐに特定するため、ホールのどの座席に誰がどの時間帯に座っていたかを把握できるようにする。
昨年末からコロナ感染の第3波に見舞われ、1月13日には緊急事態宣言の対象地域に京都府が追加された。3月1日に前倒しで解除されたが、再拡大への懸念が消えたわけではなく、感染対策は「これ以上やりようがない」(法務省幹部)レベルまで検討したという。別の幹部は「五輪を間近に控えた位置付けは大きく、何が何でも成功させなければいけない」と強調した。〔共同〕