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日本の小中の理数、国際平均上回る 1位はシンガポール

日本は07年から全教科5位以内で推移している

国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ・ドイツ)は8日、小学4年と中学2年が対象の国際学力テスト「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の2019年の結果を発表した。日本の国際順位は小4算数と理科、中2の数学と理科の4教科全てで国際平均を上回り、前回15年調査に続いて5位以内を維持した。

調査は58カ国・地域の小学校と39カ国・地域の中学校が参加。日本では同年2~3月、約8600人の小中学生がテストを受けた。今回から受験形式を筆記型とコンピューター使用型から選べ、日本は上位国で唯一筆記型を選んだ。次回調査から筆記型がなくなる予定。

日本の平均点の順位は小4算数が5位、同理科4位、中2数学は4位、同理科3位だった。小中ともに理科の順位が前回調査から1つ下げ、中2数学では1位上がった。小4算数では変動がなかった。日本は07年から全教科5位以内で推移している。

得点は1995年の国際平均点を500点として統計処理し、過去の結果と比較できる。日本は中2数学の平均点が前回より8点伸びた。中2理科は1点下がり、小4算数は点数の変動はなかった。小4理科は7点下がった。

シンガポールは前回調査に続き、全4教科でトップだった。韓国や台湾、香港などアジアの国・地域も同様に上位を占めた。

高い順位を保った学力調査に対し、学習意欲を問う調査は国際平均を下回る傾向がみられた。

「算数・数学の勉強が楽しい」と答えた小4は77%で、中2は国際平均から10ポイント以上下回る56%にとどまった。「理科の勉強が楽しい」と答えた中2も同様に70%だった。小4理科のみ国際平均より6ポイント上回る92%だった。

学習意欲の伸び悩みが続けば、国際順位の頭打ちが懸念される。文部科学省などは意欲調査について「肯定的な回答と平均得点の高さについては正の関連がみられる」と指摘した。

TIMSSは得点を5段階に区分し、成績分布も示している。日本が4位だった中2数学では、一番上の区分の「625点以上」が37%、上から2番目の「550点以上」が34%だった。

一方、トップのシンガポールは「625点以上」が51%、「550点以上」は28%と、最高得点層で日本を大きく引き離した。2位の台湾も「625点以上」で49%を占めた。

中2理科でみると、「625点以上」は日本22%なのに対し、シンガポールは48%と、他の教科でも同じ傾向がみられた。最高得点層がさらに増えなければ、今の水準以上に順位を上げるのは難しいとみられる。

文科省は調査結果を踏まえ、学習意欲を高める施策を進める。小学校高学年から教科指導の専門性を高める「教科担任制」を22年度めどに導入するほか、理科では主体的に学ぶ姿勢を養う実験や観察などを充実させたり、観察実験アシスアントの配置を支援したりする検討を始めた。

TIMSS (Trends in International Mathematics and Science Study)の頭文字をとり、ティムズと呼ばれる。60以上の国・地域の教育研究機関で構成する国際教育到達度評価学会(IEA)が4年に1回実施する国際学力テスト。小学校4年生と中学校2年生の算数・数学と理科に関し、主に学校で学んだ内容について「知識」「技能」「問題解決能力」の習得状況を評価する。
3年に1回行われる経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)は高校1年生にあたる15歳を対象とし、義務教育を終えた段階の知識や技能を実生活でどう活用するかを評価する。

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