2020年の交通事故死、過去最少の2839人 警察庁
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2020年の全国の交通事故による死者は2839人で、前年より12%減ったことが4日、警察庁のまとめで分かった。統計が残る1948年以降最少で、2000人台は初めて。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が影響したとみられる。交通事故件数は30万9000件(速報値)と前年より2割近く減った。

政府は20年までに年間の交通事故死者数を2500人以下とする目標を掲げていたが、達成できなかった。
都道府県別では、東京都の死者数が155人(前年比22人増)と最も多く、53年ぶりに全国ワーストとなった。オートバイやミニバイクなど二輪車に乗車中の事故による死者が目立った。警察庁幹部は「(コロナ禍で)交通量が減るとスピードが出やすくなり、死亡事故につながる可能性がある」とみる。コロナ禍や外出自粛などと交通事故の関係について、今後、詳しく分析する。

月別の事故死者数では、2月以外のすべての月で前年を下回った。緊急事態宣言が出された4月は前年比2割減の213人で、宣言解除後の下半期も毎月13~29%減少した。死者数のうち、65歳以上の高齢者の割合が56%を占め、1966年の統計開始以来、最も高かった。
警察庁幹部は「信号や横断歩道の整備や交通規制の推進、安全教育や交通違反の取り締まりなどを通じて、一人でも多く死者数を減らすように努めたい」としている。