選考会議の学長影響力を排除 国立大学法人法の改正案
政府は2日、国立大学の学長選考会議に学長本人の影響力が及ばないよう規制を強化する国立大学法人法改正案を閣議決定した。外部有識者の委員数を明確化し、選考後に職務執行をチェックする権限を追加することが柱となる。施行は2022年4月。
文部科学省によると、一部の国立大では同会議に現職学長が委員として参加したり、教授ら学内の委員が過半数を占めたりするケースがあり、学長の権限が肥大化しかねないと指摘されていた。改正案では学長が委員に就任できないようにして、学内と学外の委員が同数となるように徹底する。学長決定後も、法令違反が疑われるような事案が発生した場合、職務の執行状況の報告を求めることができる。
昨年6月に北海道大の前学長が威圧的言動などにより解任された他、今年に入って旭川医科大が病院長を解任したことを巡って教授らが学長の解任を請求するなど、国立大トップに関連する問題が相次いでいる。文科省は「改正案は以前から議論しており、両校とは関係ない」としている。
改正案には、小樽商科大、北見工業大、帯広畜産大の3校(いずれも北海道)や、奈良教育大と奈良女子大について、運営法人の統合を22年4月に実施することも盛り込んだ。〔共同〕