五輪組織委、女性理事新たに12人 高橋尚子さんら起用
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東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は2日の理事会で、新たに女性理事12人を起用する方針を決めた。森喜朗前会長の女性蔑視発言で失った信頼の回復に向けた施策の一環で、関係者によると五輪マラソン金メダリストの高橋尚子さんらが含まれる。理事に占める女性の比率は従来の2割から4割に高まる。
3日の評議員会で正式に決める。橋本聖子組織委会長は理事会冒頭のあいさつで「組織委に対する信頼を回復するためにもスピード感を持って取り組み、結果を出すことが重要だ」と述べた。
組織委の理事はこれまで34人で、男性理事1人が新たに辞任するため33人となる。このうち女性は7人で2割にとどまる。理事の定員を45人に広げるとともに、増員できる12人分の枠にすべて女性を充て、比率を4割に高める。
組織委は12人の氏名を公表していないが、関係者によると高橋尚子さんやパラリンピックアルペンスキー金メダリストの大日方邦子さんら。1976年モントリオール五輪バレーボール女子金メダリストで組織委現理事の荒木田裕子さんが新たに副会長に就く。

スポーツ団体での女性の理事登用を巡っては、国が2019年に定めた運営指針「ガバナンスコード」で女性を40%以上とする目標が盛り込まれた。ただ、民間が昨年実施した調査では、競技団体の役員(理事・監事)に占める女性の割合は15%にとどまった。大会本番まで5カ月を切る中、女性参画を実質的に進展させる改革となるかが注目される。
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