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気候リスク開示促す 金融庁・東証、企業統治指針改定

金融庁と東京証券取引所は31日の有識者会議で、上場企業に適用するコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改定案を示した。脱炭素社会の実現に積極的な企業に資金を誘導するため、気候変動が事業に与えるリスクや対応策を開示するよう求める。取締役会の構成は3分の1以上を独立した社外人材とし、経営に外部の目を取り入れる。

新たな指針は意見公募を経て東証が6月に施行する。海外の機関投資家からの投資を呼び込むため、特に東証が2022年4月に予定する市場再編で現在の市場1部を引き継ぐプライム市場に上場する企業に対し気候変動リスクの情報開示や取締役会の機能強化を求めた。

気候変動に関連する情報は主要国の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿って開示させる。気温上昇の想定に基づいたリスク分析や、リスクを経営戦略とどのように結びつけて対策をとるのかを投資家に分かりやすく伝える。新たな指針では「国際的に確立されたTCFDなどの枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきだ」と強調した。

日本が企業統治指針でTCFD提言に沿った開示を求めるのは初めてだ。指針の改定を受けて自主的な開示が進みそうだ。指針には法的な拘束力はなく、指針に従うか、従わない場合は理由を説明する必要がある。

海外では英国が気候変動に関する開示の義務化を始めた。日本では法定の有価証券報告書でTCFDに関する情報を記載している企業は90社程度とされ、まだ少ない。今後日本でも義務化を求める意見が強まる可能性がある。

新型コロナウイルス感染症などで経営環境が見通しにくいなか、経営人材の多様性も重視する。取締役会の3分の1以上を独立した社外人材で構成するよう求めた。現行の指針は2人以上を求めており、3分の1以上という水準を現在の1部上場企業に当てはめると4割超が未達となる。上場区分にかかわらず取締役会議長に社外取締役を置くなど監督の実効性を高める工夫も推奨する。

英語での情報開示も促す。プライム市場に上場する企業が投資家にとって必要だと考える情報を英語で開示させる。投資家からは有報を英語で開示すべきとする意見が出ている。企業側は法定書類の翻訳にかかる経費や時間、人材の負担が重いとして慎重なのが現状だ。東証1部上場企業の開示書類の英訳状況をみると決算短信で43%、有報では3%とほとんど進んでいない。指針では英語で開示する対象書類は企業が判断するよう求めるにとどめる。

投資家との対話をより深めるため、有報を株主総会前に提出するなど工夫を促す。

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