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雇用調整助成金、経営・感染状況で支給に差 5月から

雇用調整助成金を申請する事業者(名古屋市中区)

厚生労働省は25日、休業手当を支払う企業を支援する雇用調整助成金(雇調金)の特例措置に関して、5月以降は経営状態や新型コロナウイルスの感染状況で差をつけると発表した。現行特例を一律で適用するのは4月末までにする。必要以上に休業支援が長引くと、経済の構造改革や人材の移動に悪影響を与えると指摘されていた。

雇調金は昨年春以降、特例措置を幾度も延長してきた。現行では1人当たりの上限額は1日1万5千円、助成率(労働者などに支払う休業手当に占める助成金の割合)は最大100%だが、今年5月以降は基準を満たした企業以外は上限額は同1万3500円、助成率は同90%にする。

直近3カ月の売上高などの生産指標が30%以上減少している経営難企業は5月以降も現行措置を続ける。緊急事態宣言に準じた措置をとる「まん延防止等重点措置」が適用になる地域で、営業時間を短縮する企業も現行措置を適用する。

休業手当を受け取れていない非正規労働者らに支給する休業支援金も、雇調金と同様に5月から支援内容を変更する。現行は休業前賃金の8割を1万1千円を上限に支給しているが、5月以降は上限を9900円にする。まん延防止等重点措置が適用になる地域では現行のままにする。

日本総合研究所の山田久副理事長は「雇用維持策は短期的には必要だが、長期化すると経済全体の活力や新しい産業育成の阻害要因になる。新しい産業に人が移るように労働政策がシフトしていくことが重要だ」と指摘する。

政府が22日に開いた経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)でも民間議員が「雇用政策の重点を人材の円滑な移動の支援やデジタル時代にマッチした教育訓練の強化に段階的に移行すべきだ」と訴えた。民間議員の一人の柳川範之東大教授は「一人ひとりの付加価値生産性を上げていかなければマクロ的な成長もない」として学び直しなどへの政策支援を求めた。

財政の厳しさも背景にある。雇用調整助成金の独自の積立金は既に枯渇し、失業手当などに使う雇用保険の積立金から2兆円規模の借り入れをして賄っている状況だ。今後は労使が支払う保険料の引き上げや国費から借り入れを増やさなければ、失業手当の支給もおぼつかなくなる。

政府は出向に支援の軸足を徐々に移す。厚労省が創設した産業雇用安定助成金では出向元と出向先の双方を対象に1人当たり1日1万2000円を上限に助成する。別途、1人あたり最大15万円の経費も補助する。出向者も含め人件費が増えた企業には減税措置も用意する。官民で人材をマッチングする協議会が全国で発足し始めている。

雇用以外の分野でも、支援の重点化が進みつつある。

中小企業に最大200万円を支給する持続化給付金とテナント賃料を補助する家賃支援給付金は2月15日に申請の受け付けを終了した。持続化給付金は3月22日までで約424万件、約5.5兆円を給付済みだ。新型コロナの感染拡大で打撃を受けた中小や個人事業主を当面支えるという目的は一定程度達成したと判断した。

今後はコロナ後の社会に合わせた業態転換を促す「事業再構築補助金」の活用を促す。1企業あたり最大1億円を用意し、インターネット通販や料理の持ち帰り(テークアウト)など新しい取り組みを始める中小を支援する。

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