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緊急時、一般医療の制限を 病床確保へ厚労省が要請

感染「第3波」時の2倍の病床確保が当面の目標(2月、新型コロナ患者の治療に当たる医療従事者)=都立松沢病院提供・共同

厚生労働省は24日、新型コロナウイルス感染症の再拡大に向けて、病床の確保計画を見直すよう都道府県に要請した。感染者数の想定はこの冬の2倍を目安に引き上げ、緊急時の措置として一般医療を制限してでもコロナ対応に医療資源を振り向けることを通知に明記した。ただ確保策は「要請ベース」にとどまり、どこまで実効性があるかは不透明だ。

厚労省は昨年夏に感染拡大を見据えた病床の確保計画作りを都道府県に求めた。しかし2020年11月からの第3波では感染者の急増に病床の確保が追いつかず、病床の逼迫を招いた。

厚労省が新たに求めた病床確保の計画は2段構えだ。

まず1日あたりの感染者数が第3波の2倍に急増することを想定した緊急時の体制整備を4月中に求める。足元では感染力の高い変異ウイルスが広がり、感染が再び拡大するリバウンドの兆しがあるためだ。

一般医療の水準を維持したまま2倍の感染者に対応するのは困難なことから、例えば予定されていた入院や手術を延期することも病床確保の選択肢とした。病床の確保に加え、ホテルや自宅で療養している患者への健康観察の体制も整える。療養者が血中の酸素濃度を測れるようパルスオキシメーターなどの十分な確保を求める。

その上で一般医療との両立可能な体制整備を5月までに求める。都道府県ごとに確保できる最大の病床数を設定する。そのうえで都道府県が個々の医療機関と協議し、地域内での役割分担を整理し、現状の病床数から最大限の病床数へ上積みする。

第3波への対応では、都道府県が報告していた確保病床が実際にはすぐに使えなかったり、回復した患者の退院調整に時間がかかったりするなどの目詰まりも生じた。

今回の病床の上積みは都道府県が個々の医療機関と確保病床数について書面で合意することを求める。一般の病床をコロナ病床に転換する場合には、遅くとも2週間をメドに切り替えができるようにし、必要な準備期間も医療機関との合意文書に記す。

感染拡大時に病床が計画通りに確保されるよう、療養患者に占める入院者数の割合や、転院や退院の状況など患者の流れに目詰まりが生じていないかといったチェック項目を設定し、都道府県が定期的に評価するようにする。評価結果は厚労省に報告を求める。

ただ、一般医療の制限につながる要請には、医療現場の抵抗が予想される。昨春の「第1波」で手術を延期するなど一般医療への影響が出た都内の大学病院の担当者は「1年前は患者もコロナに対する不安が強く手術延期に理解が得られたが、1年以上が経過して制限することに患者から理解が得られるのか」と困惑する。

これまでも厚労省からの病床確保は強制力のない「要請」にとどまっており、医療現場の理解と協力を得ることが引き続き課題になる。日本医師会の中川俊男会長は24日の記者会見で「どんなに病床を確保しても限界があり、感染者数を抑えることに最大の力を注ぐべきだ」と述べた。

厚労省の要請について日医の幹部は「いきなり2倍と言われても机上の空論ではないか」としている。要請ベースの病床確保策でどこまで成果が上がるのかは見通せない。

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