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新興企業の知財、大企業の搾取防止 公取委など指針 

公正取引委員会

経済産業省と公正取引委員会は23日、スタートアップ企業が大企業と連携する際、知的財産権の乱用などで搾取されないための注意点を示した指針をまとめた。大企業が知財の無償提供を迫るなど、独占禁止法に違反する恐れのある行為を未然に防ぎ、企業間の連携で新たな技術や事業が生まれるよう環境を整える。

公取委が11月に公表したスタートアップを巡る契約実態の調査結果によると、売上高5千万円未満の企業の22.3%が、大手から「納得できない行為を受けた」と回答した。公取委は営業秘密やノウハウの開示を強要することなどは独禁法違反の恐れがあると指摘していた。

今回は経産省と公取委が共同で、ライセンス契約や秘密保持契約(NDA)で望ましい契約の在り方や未然防止策を指針にまとめた。意見募集を経て2020年度内にも正式に決める。

例えばライセンスの無償提供を強要すれば独禁法上の「優越的地位の乱用」につながる恐れがある。これを防ぐため、指針では契約時に知財権の範囲やライセンス料などを細かく明示しておくことが望ましいとした。スタートアップの技術なのに特許出願を制限されるケースもあり、発明主体の明確化も必要とした。

公取委の調査によるとスタートアップが営業秘密の開示を迫られる事例もある。指針では、NDA締結前に技術情報を渡さないことや、秘密を盗用された場合に法的責任を追及しやすいように、あらかじめ損害賠償責任が生じる範囲や金額を契約に盛り込んでおくことが望ましいとした。

不適切な契約の原因は大企業とスタートアップの双方にあることが多い。大企業が下請け契約のひな型をそのまま流用してしまい、スタートアップの取引上の立場が弱くなるケースもあるという。スタートアップ側も法務部門がなく不利な契約に気づかないなど知識や経験不足が目立つ。指針は両者に活用してもらうことを想定する。

公取委は報告書でベンチャーキャピタル(VC)など出資する側が、株の買い取りと引き換えに不利な契約を結ばせることなども独禁法違反の恐れがあるとしていた。政府は1日にまとめた成長戦略会議の実行計画で「出資者との契約の適正化に資する方策についても検討する」との方針を示しており、今後議論を進める。

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