2月輸入、1年10カ月ぶり増加 原油の落ち込み和らぐ
財務省が17日発表した2月の貿易統計速報によると、輸入額は前年同月比11.8%増の5兆8206億円となり、1年10カ月ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大で2020年2月に中国からの輸入が半減した反動が大きいが、原油など燃料輸入も持ち直しつつある。

中国からの輸入は114.5%増の1兆4458億円。伸び率は比較できる1979年からのデータで最大となった。スマートフォンを中心とする通信機が倍増し、衣類なども2.9倍になった。米国からの輸入も3.7%減とマイナス幅が20年5月以降で初めて1桁にとどまり、欧州連合(EU)からの輸入も1年2カ月ぶりに増加に転じた。
原油輸入は30.7%減。マイナス幅は50%を超えた20年11月から3カ月連続で縮まっている。コロナ拡大後に4割減まで落ち込んでいた液化天然ガス(LNG)も15.9%増と19年4月以来で初めて増加に転じた。

輸出額は6兆380億円で4.5%減った。減少は3カ月ぶり。特に米国向けは14.0%減の1兆922億円と2カ月連続でマイナス幅が拡大した。自動車が19.7%減っており、寒波による販売減や半導体不足による減産の影響が出た可能性がある。
中国向けの輸出は堅調だ。春節(旧正月)の影響を考慮して1~2月の合計でみると約2兆4000億円となり、前年同期比で2割弱増えた。2月単月では半導体などの製造装置を中心に3.4%増えた。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2173億円の黒字だった。
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