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福井2地銀、統合へ 福井銀頭取「福邦銀子会社化を念頭」

(更新)
 記者会見する福井銀行の林正博頭取(左)と福邦銀行の渡辺健雄頭取=14日午後、福井市

地方銀行が不採算構造の解消へ動き出した。福井銀行は14日、同じ県内の福邦銀行に出資すると発表。子会社化を視野に入れ、一体で収益改革に乗り出す。一方、ふくおかフィナンシャルグループはデジタル銀行を新設し、巨大システムにメスを入れる。再編やデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速できるかが地銀再生のカギを握りそうだ。

福井銀行と福邦銀行は14日、資本提携で合意したと発表した。福井銀が福邦銀の第三者割当増資を引き受ける。福邦銀の開く6月の株主総会を経て払い込む。発表文では子会社化するか「未定」としたものの、福井銀の林正博頭取は記者会見で「子会社化が念頭にある。少ない労力で効果が得られる」と話した。

 福井銀行のロゴマーク=福井市

20年3月に資本提携を検討すると公表した段階で合併を選択肢から外し、2ブランドを維持する方向だった。実現すれば、菅政権の懸案だった地銀再編の第1号となる可能性がある。同一県内で2つの銀行が並立する「1県1グループ型」となる。

福井銀が出資するのは、経営統合後の環境を整備する意味合いがある。福邦銀には60億円の公的資金が入っており、利益剰余金65億円を使い、21年度中に返済する。そののち福井銀が50億円を出資するため、事実上肩代わりする構図だ。福邦銀の渡辺健雄頭取は「返済後の絵姿をつくるため総合的に考え、50億円の資本増強の必要があると判断した」と述べた。

 福邦銀行の看板=福井市

2つの銀行を残したままの再編は非効率な構造を温存すると批判を受けてきた。お互いの営業エリアを守るため、不可侵条約とやゆされた。その批判を踏まえ、両行は重複業務を洗い出し、預金、融資、為替の三大業務を担う巨大な銀行システムにメスを入れる構えだ。20年3月から「Fプロジェクト」という名称で業務提携を先行し、情報系システムを統合したり、一部店舗を共同化したりしていた。

菅義偉首相は地方銀行の再編促進を掲げる。20年に同一県内の地銀の経営統合を独占禁止法の適用除外とする特例法が施行され、金融庁や日銀は統合費用を補助する仕組みを導入する。林頭取は「要件に合うなら(補助金の)申請を検討したい」と話す。

福井銀行は県内シェアトップだが、取引層は中堅・中小企業が多く、零細企業は福邦銀行や地元信用金庫がカバーしている。富山県の北陸銀行が古くから福井県内に進出しシェア10%を超える。昨年11月には石川県の北国銀行が福井銀本店の隣接地に福井支店を移転オープンし、越境からの攻勢を受けていた。

金融エグゼクティブ向けデジタル媒体「NIKKEI Financial」は地銀の経営データを分析し、ランキングを公表している。102行の総合力分析では福井銀行が74位、福邦銀行は98位だった。

NIKKEI Financialは11月30日に「菅再編第1号は?」というタイトルで、福井・福邦の再編に至る経緯や両行の戦略を書いています。詳しくはhttps://financial.nikkei.com/に公開しています。

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