
いまは夜明け前 「パクスなき世界」を考える
(更新)
古代ローマの人々は平和と秩序の女神を「Pax(パクス)」と呼びました。「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」という米国の覇権が衰え、21世紀の世界は米中対立や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)など、これまでの価値観や秩序を揺さぶる激動が続いています。
コロナ禍で富の格差は一段と広がり、不満や恐怖が社会の分断を深め、民主主義を傷つけています。気候変動や政府債務の膨張といった課題も深刻になり、資本主義のあり方や政策の常識を根本から問い直す必要に迫られています。
必ず日はまた昇ると信じ、夜明け前の暗闇のなかで私たち一人ひとりが進むべき道をもがきながら探る時代だと言ってもよいのではないでしょうか。
連載「パクスなき世界」の第4部では夜明け前の世界に目をこらし、ほのかに浮かぶ未来の輪郭をみなさんと探っていきたいと考えています。
「パクスなき世界」第4部 記事一覧
「パクスなき世界」第4部 識者インタビュー










「パクスなき世界」第1部まとめ読み
成長の女神 どこへ コロナで消えた「平和と秩序」

「パクスなき世界」第2部まとめ読み
自由のパラドックス 「パクスなき世界」を考える

「パクスなき世界」第3部まとめ読み
「パクスなき世界」第5部まとめ読み
歴史を繰り返さぬために 「パクスなき世界」を考える

格差と不平等が常態となり、富の再配分が弱まった社会はもろい。公共心や他者への寛容さを失い、異質なものを安易に排斥。日本の「一億総中流社会」は過去のもの…第5部まとめを読む


新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。