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東日本大震災10年、自律回復探る被災地 新産業育成カギ

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夕日に照らされる宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎(10日午後)

東日本大震災の発生から11日で丸10年となった。道路や住宅など生活インフラの整備はおおむね完了し、政府による大規模な公共投資は一段落する。この先は原子力発電所事故に見舞われた福島の再生、雇用を増やす企業の振興などが課題となる。新型コロナウイルス感染拡大の影響も残る中、被災地経済は自律的な回復を探る。

政府は9日に決めた新たな復興の基本方針で、2021年度からの5年間を第2期復興・創生期間と位置づけた。地震・津波被災地では「インフラ整備を中心にほとんどの事業が完了した」とする一方、福島の再生には「引き続き国が前面に立って取り組む」とした。

政府は10年で約38兆円の予算を投じた。災害公営住宅3万戸、高台などへの移転費用を国が補助する「防災集団移転」で1万8千戸分をそれぞれ供給した。復興道路・復興支援道路は今年度末で85%の工事を終える。

公共投資の役割は大きい。17年度の県内総生産をみると、岩手・宮城・福島の3県合計で22兆円。震災前の10年度から3兆円増えた。22兆円のうち建設業の生産額は2.3兆円で、10年度に比べ1.2兆円増と倍増した。17年度時点で3県の建設業はそれぞれ生産額の1割前後を占めた。

運輸や建材など幅広い業種に恩恵をもたらしたが、足元で投資のピークは過ぎた。水産加工など回復が遅れる業種もある。自動車などのものづくり産業、農漁業や観光といった地場産業など、多くの業種の連携を進め、公共工事が減っても利益の出る体質に変える必要がある。

福島では廃炉や処理水の処分など原発事故の処理が滞り、帰還を断念する人も増えている。政府は暮らしやすい環境の整備を急ぎ、県外からの移住促進にも力を入れる。雇用確保を視野に新産業育成を強化し、ロボットやドローンの開発、水素など新エネルギーの活用なども福島を拠点に進めることにしている。

東日本大震災 10年

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