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日本政府からWTO中枢幹部を初派遣 組織改革担う

政府は1日、世界貿易機関(WTO)の「事務局長上級補佐官」に宇山智哉内閣官房内閣審議官が就任すると発表した。宇山氏はオコンジョイウェアラ事務局長の側近として組織改革を進める。日本政府からWTOの中枢幹部を出すのは初めてとなる。

WTO事務局長上級補佐官に就く宇山氏

菅義偉首相はWTO改革で指導力の発揮を狙う。4月16日にワシントンで開いた日米首脳会談後の共同声明でWTO改革を米国とともに進めると表明した。

宇山氏が就く事務局長上級補佐官は新設する中枢のポストで、組織全体を統括しオコンジョイウェアラ氏を支える。WTOで日本人が就いた幹部ポストは部長級までだった。

WTOは改革が急務になっている。中国を「途上国」として扱い、関税や補助金で優遇する措置に先進国から不満が高まる。新型コロナウイルスの感染拡大で各国がマスクや防護服などの輸出を制限し、ルールのない保護主義が広がる事態になった。

国家間の貿易摩擦を解決するWTOの紛争処理で、裁判官にあたる上級委員の人員補充を米国は拒否してきた。2019年12月から機能不全が続く。

米国はWTOの上級委員会が司法機関のように振る舞うのを批判し、欧州連合(EU)は上級委を強化すべきだと主張する。日本は米欧の間に立って改革案の取りまとめを主導する戦略を描く。

ナイジェリア出身のオコンジョイウェアラ氏は日本などの支持を受け、事務局長選で韓国の候補を破った。日本は茂木敏充外相を中心に、同氏を支える人材を派遣する用意があると伝えていた。茂木氏は19年まで経済財政・再生相として日米貿易交渉を担当した経験から通商外交に力を入れる。

日本はオーストラリアなどと電子商取引(EC)などデジタル経済に対応した貿易ルールづくりを急ぐ。宇山氏の登用もその一環だ。

宇山氏は外務省出身で国際貿易の枠組みづくりを担ってきた。多角的貿易交渉「ガット・ウルグアイ・ラウンド」に携わり、WTO本部があるスイス・ジュネーブで公使などを歴任した。20年から内閣官房で環太平洋経済連携協定(TPP)担当の審議官を務めていた。

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