「安保法制、違憲部分は廃止」 立民が基本政策
結党半年でようやく 次期衆院選へ備え

立憲民主党は30日の常任幹事会で、党の中長期的な政策の方向性を示す基本政策を決めた。安全保障分野について「立憲主義と平和主義に基づき安保法制の違憲部分を廃止する」と明記した。エネルギー政策では「すべての原発の速やかな停止と廃炉決定をめざす」と盛り込んだ。
現在の立民は旧国民民主党などと合流して2020年9月に結党した。党の理念となる綱領を定めたものの、基本政策のない状況が半年以上続いていた。エネルギー政策などで党内の議論がまとまらなかったためだ。
福山哲郎幹事長は記者会見で「中長期的な視野で取り組む課題をまとめた」と述べた。基本政策とは別に、次期衆院選の前に別途、選挙公約を示すと説明した。

米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移転に関し「工事は中止し、基地のあり方を見直して米国に再交渉を求める」と主張した。
中国を念頭に「力による現状変更の試みに毅然と対処する」と唱えた。「新たな法整備を検討するなどグレーゾーン事態に適切に対応する」「サイバー、宇宙など新たな領域における対処能力を高める」との文言も盛った。
エネルギー政策に関し30年に再生可能エネルギーの発電割合を50%程度、50年までのカーボンニュートラル達成を目指すと盛り込んだ。
原発政策は綱領で「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と記したものの、今回の基本政策では時期や具体的な手法を書き込まなかった。
社会保障分野で医療・介護・教育などの「ベーシックサービス」の拡充を訴えた。税財政政策は「税制全体のあり方について抜本的な見直しを進める」との言及にとどめ、消費税増税の是非には触れなかった。
ジェンダー平等や同性婚を可能にするための法整備も掲げた。
日本経済新聞社の3月の世論調査で立民の政党支持率は11%で、自民党の43%と大差がつく。基本政策作成をテコに、今秋までにある次期衆院選へ態勢を整える。