組織見直し、学術会議に改めて要請 井上科技相
井上信治科学技術担当相は27日、日本学術会議の梶田隆章会長ら幹部と東京都内で会談し、会議の改革を巡り意見交換した。井上氏は、会議の三つの部に同数が割り当てられている会員比率の見直しを検討するよう改めて求めた。梶田氏は、会員候補の任命拒否問題に関し「会員から解決を求める声が多く出ており、苦慮している」と述べた。
井上氏が記者団に明らかにした。菅義偉首相が任命を拒否した候補6人はいずれも人文・社会科学分野の第1部の会員候補。会議側は会員比率について検討を進めるが、幹部から変更に慎重な意見も出ている。
井上氏は会談後、オンライン形式で開かれた学術会議主催のフォーラムで講演した。「会員任命に関する経緯を通じ、多くの会員が懸念を持っていることは理解している」と述べる一方で「会議の活動が国民から広く認知され、広範な支持を得られているか考えると心もとない」とし、改革を進めるよう要請した。
梶田氏はフォーラムで、活動や会員選考で政府からの独立性が担保される形で会議のあるべき姿を検討する考えを改めて強調した。4月に予定される総会で一定の結論を出す方針。〔共同〕