首相「再び賃上げの流れを」 コロナ禍でも好業績企業に
菅義偉首相は24日の経済財政諮問会議で、2021年春季労使交渉(春闘)を控え、経済界に賃上げを求めた。「経済を成長軌道に戻していくためには再び賃上げの流れを取り戻し、所得が増える見通しを持てるようにすることが不可欠だ」と強調した。
首相は「上場企業の経常利益は業種によっては厳しい状況にあるものの、前年を約2割上回る結果となった」と指摘した。「政府としてこれまでも賃上げの流れを継続してもらうべく要請してきたが、ぜひとも業績を反映し応えてほしい」と呼びかけた。
首相の発言は新型コロナウイルス禍でも好業績の企業に賃上げのけん引となるよう働きかけたものだ。「賃上げにより消費と企業の収益を増やし、企業が将来のために設備投資をする好循環を取り戻し、さらに強化する必要がある」とも訴えた。
政府による経済界への賃上げの要請は「官製春闘」と呼ばれ、デフレ脱却を掲げた安倍晋三前政権で定着した。