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「質問取り」対面自粛、与野党が合意 国会改革に一歩

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衆院議院運営委員会理事会に臨む与野党の理事ら(21日)

与野党は21日の衆院議院運営委員会理事会で、官僚による国会議員への「質問取り」について対面形式をできる限り自粛すると合意した。新型コロナウイルス対策で接触を減らすため電話やオンラインに切り替える。有識者は国会改革や霞が関の長時間労働是正の一歩になり得ると評価する。

質問取りは省庁職員が国会で質問に立つ議員から事前に内容を聞き取る慣習だ。政府答弁を作成するために議員の事務所へ出向いて詳しい内容を聞く場合が多い。

コロナ下で政府が企業に在宅勤務を求める状況でも、大勢の官僚が質問取りや政策説明のために議員会館の廊下で待機する光景がみられた。

自民党は新型コロナの感染拡大を考慮し、21日の議運委理事会で当面の期間、対面形式を控えるよう提案した。野党側は賛同した。

参院側でも自民党の水落敏栄議運委員長が衆院と同じ対応を野党に申し入れると記者団に語った。これを機に国会や省庁の業務を効率化する動きが広がる可能性がある。

与野党議員の一部は既に対面形式をやめていた。国民民主党の玉木雄一郎代表は18日、質問通告を原則として書面か遠隔にするよう党所属議員に要請した。

与野党は15日の衆院議運委理事会では質問通告時間のルールを守り、官僚の負担を軽減することでも一致していた。質疑2日前の正午までに質問内容を省庁に伝えるとの決まりがあるものの、これまで順守されていなかった。

省庁は質疑前夜でも質問の詳細がわからず、答弁の準備が終わらないケースが少なくない。政府の公式見解となる国会答弁の作成には入念なチェックが必要だ。担当する官僚は深夜や未明まで残業を強いられる。

コンサルティング会社のワーク・ライフバランスが2020年に現役の国家公務員を対象にした調査で、4割近い人が1カ月に100時間以上の残業をすると答えた。霞が関の若手職員の退職が増える要因とされる。

与野党が合意に沿って質疑2日前までに遠隔で質問通告すれば、霞が関の負担は軽くなる。駒沢大の大山礼子教授は一連の与野党合意について「国会改革の一歩前進といえる」と語った。

「決裁権者が多い霞が関の手続きや、想定問答がないと当意即妙な答弁ができない閣僚など改善点はまだある」とも指摘した。

閣僚が必要以上に細かい想定問答を求めれば、担当職員は質問取りに追われてしまう。

政策研究大学院大の竹中治堅教授は「とても意義深い。通告時間の厳守とあわせて霞が関の長時間労働の改善につなげるべきだ」と述べた。「オンライン化すれば議員は地元から対応できる利点も感じるだろう」と遠隔化の拡大に期待した。

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